3.76
5 851件
4 141件
3 77件
2 80件
1 322件
合計 1471
読み まっさん
放送局 NHK
クール 2014年10月期
期間 2014-09-29 ~ 2015-03-28
時間帯 月曜日 08:00
出演
札幌オリンピックの“日の丸飛行隊”を支援し、北海道余市の名誉町民となり、日本のウイスキー誕生を支えた竹鶴政孝とその妻リタをモデルとした“夫婦の奮闘記”。 国産ウイスキーの黎明期を創出した鳥井信治郎との出会いが物語中盤を彩り、やがて舞台は大阪から北海道...全て表示
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琥珀大好き

『皆さん、明けましておめでとうございます』。この朝ドラも“折り返し地点”、ピン子さんも告知しているように新年早々、ご本人曰く「感動のシーン」有りとのこと。なんでも最後の科白が「泣かせる一言」だとか、期待しましょう⇒そして、マッサンは鴨井さんと別れ、北海道へ。
まぁ、このサイトではピン子さんの印象が??(子供が泣くので、観るのを止めた、は面白かった。ピン子さんに言わせれば「役者冥利に尽きる」ということでしょう)。
年の初めなので、“総論的”な事を。
「皆さん、真剣にドラマを観ているんですね」(皮肉では決してありません)。
ドラマを作る(提供する)側としては、真摯にこの辺は理解しないと。ただ、“百人百様”で「ある人は良い、同じことをダメ」という何百万人の方々の意見を真摯に聞いていたら、この手の物は作れない。作る側は自分自身の何を基準にその決断をどこでするか?
私は“ベタ”が大好きです。大声を出したり、コケたり、よしもと新喜劇ばりの“ベタなギャグ”。
「方向性(本来のウイスキーの話とか)、本筋をもっと」という意見も否定はしませんが、とんでもなく違う話になっている訳でもなく、見事に“そのベタな演出?”に嵌って、15分で何回も泣いて、笑って。
勿論、とんでもなく“変なドラマだと”思えば、特にNHKはお金を取って作品を作っているわけなので、「局にクレームとか、それこそ内容を変更させるような運動?をしてもいいと思いますが」、そうでなければ、「面白くないなら視聴を止めればいい(チャンネルを合わせなければいいだけで)と。まぁこのサイトは感想を自由に言い合う場所だし、『マッサン・ファンクラブ』ではないので、この意見に反発は有るでしょけど」。
でも私は、詰まらないと思うものを観ない人なので、これからあと三か月、大好きな『マッサン』を応援しながら、見続けます。
「マッサン・エリー、頑張って。そして自分たちが納得する夢を成し遂げてネ」。
と言う事で、私“琥珀大好き”は2015年1月1日を以て、このサイトから卒業、退室します。
気が弱いので、批判的批評も時々「その通りだネ」と思いつつも、「良い気分には決して成らないので、読んでいて辛い」。
勝手な物言い(このサイトはそういうものなので、「まぁ、言わせて」)、特に「『マッサン』つまんない」という方々には、もしかしたら不快な思いをさせたと思いますが、「爺さんの独り言と」、見流してくださいませ。
『マッサン』を愛してくれる方々、「放送終了まで、応援お願いいたします」。
最後にもう一度、「『マッサン』は、良く作られた“夢を二人で追い続けた、一組の国際結婚夫婦”をベースにしたフィクション・ドラマです」。

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名前無し

このドラマは、固定的な視点は避けているように思います。例えば、人の情けを受け入れることができるのが普通だ、という描き方はしません。困った時に人の情けを受け入れることを自然にできる人もいれば、プライドがそれを許さない人もいる。エリーは前者でマッサンは後者。何が普通の価値観なのかを探るのではなく、価値観の違いをどう受け止めて行くのか、に焦点が置かれていると感じます。

人の価値観が変わるには、長い時間もしくは大きな環境の変化が必要。マッサンの場合、経済的な逼迫に加えエリーが病いに倒れるというダブルパンチが彼の意識に変化をもたらしたのでしょう。それまで突っぱねていた「人の情け」を受け入れた。自分の価値観に固執していたため気づけなかった何かに気づくことができたのは、私は成長だと感じます。

私にとってこのドラマがおもしろい点の一つは、固定観念について考えさせられることです。自分が普通だと思っていることが相手にとって必ずしも普通ではない。固定的な視点からは見えないことがあるということ。先週は主にマッサンの視点からそれを考えさせられました。今週は「触らぬ神に祟り無し」。人の情けを受け入れることと、他家の問題に介入するということはマッサンにとって別問題なのでしょう。優子の結婚話に首を突っ込もうとするエリーを止めた時から変わらないスタンス。ここは譲れないようですね。今週もそんなマッサンとエリーとの価値観のせめぎ合いがどのように描かれるのか楽しみです。

このドラマはステレオグラムのようなおもしろさがあると感じています。一見、平面的な画像なのに視点をずらして見ると奥行きのある立体画像が浮き出て来る。そんな風に楽しめる、私には相性の良いドラマです。

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名前無し

マッサンロス状態の一人です。役者さんの熱演、美しい映像、気の利いた台詞など半年間ハマりました。これから撮り溜めた録画を観ていこうと思っています。
時が経ち改めて思ったことがあります。終盤の3級酒造りを丁寧に描いたことについて、このスレでも激しい批判があり、私もなぜスーパードウカ造りの方に焦点をあてなかったのかと当時は疑問に思いました。しかし、N社もS社も昔のウイスキーの復刻版を発売しています。特定商品のCMになりかねないエピは避けた(3級酒の復刻はさすがにないでしょう)ということだったかもしれません。
公共放送なので私たちには解からない制約が多数あったのでしょうね。ビジネスパートに限界はありましたが、夫婦の奮闘記として素晴らしい作品だったと思います。

5月5日・6日に総集編があるようです。前編のエリーの手紙に感動しました。後編にも何か仕掛けがあることを期待します。

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名前無し

「この手、離すなよ」は二人の冒険旅行の開始の合図。
冒頭、長い道を二人は駆けた。躓いたエリーがマッサンの差し出した手を握り、そしてしっかりと力を込め、お互い支え合い、愛し合い、慈しみながら生きて行くことを二人は互いに心に刻んだ。
ウィスキーを巡るチャレンジとアドベンチャー、子供をはじめとする人生の岐路でも二人は時には泣き、笑い、乗り越えていく。そして、迷いや奮闘を経て、マッサンの夢は現実のものとなりエリーは夢を叶える。エリーの夢、それはマッサンの夢が叶うこと。

「スーパーエリー」のラベルにプリントされたエリーの指ぬきは、二人の夢が昇華した証である。マッサンのジャパニーズウィス、妻エリーに捧げた「スーパーエリー」に対する賞賛は海を越えてマッサンに栄誉をもたらした。老いたマッサンの前には写真の中で若き日のエリーが幸せそうに微笑んでいる。
マッサンは遠い過去の想いに耽るかのようにオールドラングサインを口ずさむ。マッサンはエリーが書き残したラブレターに背中を押され、もっともっと美味い自分の理想のウィスキーを目指し続けたのだろう。この日、走り続けたマッサンは再び思い出の中のエリーと再会し昔を懐かしみ杯を傾ける。燃え尽きたかのように、エリーの墓に指ぬきとコインを捧げるマッサン。最期、マッサンの表情には、待ち望んでいた親しい誰かが訪ねてきたような悦びが。それはエリー?

素晴らしいエンディングだった。半年間の全てのエピソードがここに結実した。
朝ドラ史に残るドラマであると思う。

半年間、過酷な撮影、プレッシャーに忍耐強く挑戦された玉山さん、シャーロットさんをはじめとする演者のみな様、スタッフの皆様に拍手を送ります。
チャレンジ精神を貫いてくれた脚本、NHKの皆様、この素晴らしい「マッサン」を良くぞ、世の中へ出してくださいました、感謝いたします。

ドラマのモデルとなった、ウィスキー造りに人生を捧げた男、マッサンこと竹鶴政孝氏とその愛妻リタさんに敬意を表します。

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名前無し

野心に満ちた鴨居さんの横顔、少年のように純朴なマッサンの驚きよう、どちらも観ていてドキッとしました。この時代にはそれだけ衝撃的な広告だったんでしょうか。刺激の洪水みたいな今とは、大違いだったんですよね、きっと。朝ドラとしては挑戦的なシーン、面白かったです。
今週は、欧米人のように大きな身振り手振りで熱く語ったり愚痴ったりするマッサンと、それを母のように微笑んで優しく見守るエリーという、また少し深まった若夫婦の姿も見られてしあわせでした。
旧来の価値観と新しい生き方との間で揺れる優子の気持ちも、若い女性ならではの悩みで応援したくなります。古いとか新しいとかだけでない、優子らしい賢い生き方を期待します。
何でもかんでもすぐに白黒つけて切り捨てようとするセッカチな風潮のなか、“相反する二つのもの”がぶつかり合い融和点を求めて試行錯誤する姿をじっくりと、様々な形で見せてくれる。
とても優れたドラマだと思います。

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名前無し

エリー&マッサンの夫婦愛を中心に、他者に対する愛情が一貫して描かれたヒューマンドラマでした。内面が深く描き出されているので登場人物に共感し、どんどん惹き付けられました。

全く知らなかったウィスキー造りについても色々と学べました。多くの日本人にとって未知の酒だったウィスキーを国産品として世に出すことの厳しさ。造り手のこだわり。ウィスキーがこんなに奥の深いものだったとは。日本酒造りの奥の深さもこのドラマから学べました。

エリーの墓の横にスペースがあったので、マッサンは隣りに眠ることになるんだなあとしみじみ思いました。そう言えば「マッサン」のタイトルロゴのハートマークの上部は、二人の墓石を並べたように見えます。

素敵な作品をありがとうございました。テレビ小説の名にふさわしく人間を深く描いた文学的なドラマだと思います。

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名前無し

マッサンは良いよ。朝ドラを観たことがない人が割と観てるんじゃないかな。職場の男性社員も朝ドラを始めて観た、という人がかなりいるし、大抵録画して観ているみたい。友達の中でも見始めた人が多いので、最近カラオケや飲み会に行ってもウィスキー。

何が受けてるかというと、エピが素晴らしいとかそういうのではなく、今までの朝ドラと違う印象だという大雑把な部分。朝ドラに新風という感じかな。ウィスキーを日本で始めて作った男も稀なら、留学先から外国人の嫁を連れてきて一緒に苦労したという実話に驚いたみたい。後はエリーが可愛い、頑張って!って毎日見てる、と言ってます。
私の周りの新視聴者ほぼ全員酒飲みで、史実はドラマが話題になって見始めて知った人ばかり。実は史実にもそんなに興味はない。
みんな細かいことは気にせず単純に泣いたり笑ったりしてます。時代背景だのを調べてみる人は皆無、面倒だから。

私も竹鶴夫妻がいなかったら日本のウィスキー事情は随分違っているだろうな、と思っている口なので、史実とは割り切って、楽しく観てます。
マッサンに竹鶴氏へのリスペクトも感じています。
リスペクトを感じない、逆の印象を持つ人がそう思う気持ちも分かるが、なにしろ、世間に竹鶴氏の存在が認知されたことが嬉しい。

マッサンは色々な制約の中で脚本も頑張っていると思う。史実の詳細が分からない部分をオリジナルで繋いでいるようだけど、間延び感以外は良い。
私はそう思う。

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名前無し

幼少期~20代半ばまでアメリカに住んでいました。
11:43:09さんの仰る通り、欧米では親でも無断で子供の持ち物に触ったりはしません。
少し脱線しますが、親子でごはんをシェアしたり、親が子供の食べ残しをつまんだりもしないです。
これらはプライバシー云々よりも、マナー違反という概念が強いのだと思います。
日本人が小さい頃から食事中に肘を付いてはいけませんと教えられているように。

イギリス圏の人のほうが、よりそういう事に関してストイックだと感じました。
主役の女優さんはものすごい違和感を感じながら引き出しを開ける場面を演じたと思いますよ。

ここからが本題なのですが「リマの机を勝手に開けたのが元で親子ゲンカになった」という記録が残ってるのかと考えると甚だ疑問なので、この部分は脚本家の人の創作エピだと思うんです。
お手軽に思いつく題材で騒動を仕立てて、解決はありえない偶然や幸運に頼み、以前から酷い本だとは思っていましたが。

脚本が学芸会、つまらないだけならよくないけどまだいいです。
マッサンが出資者を騙してウィスキーを作り始めた件の話の進め方や、今回のエリーが勝手に机を開けたエピソードなどなど、このドラマはモデルとなったご夫婦に対する尊敬の念がまったく感じられない。
夫婦の絆、形が素晴らしい云々でドラマを援護する方が多いですが、そのために主人公の人間性をダウングレードして伝える必要性がどこにあるのです?
視聴するたびにモデルご夫婦に申し訳ない気持ちになります。

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名前無し

大阪・広島とは趣きの異なる広大な北海道の空気が伝わって来ます。その空気感を表現し盛り上げる勇壮な音楽が素晴らしい。未知の土地で慣れない営業に孤軍奮闘中のマッサンですが、不器用だけど純粋で一生懸命な姿はつい後押ししたくなります。人を牽引するカリスマ的リーダーの鴨居とは対極の魅力がマッサンにはあります。また、スマートな鴨居とはタイプは違いますが、熊虎も人をぐいぐい引っぱるカリスマ系。この二人とは違う、どなたかが書かれていた「人たらし」的なマッサンの個性がじわじわ来ます。

早苗がエリーを泣き落としにかけた時のフラッシュバックが入りましたが、日本に来たばかりのエリーは初々しく、早苗も若かったんだとあらためて感じました。あれから9年。経た年月をきっちり演じ切っているシャーロットとピン子さんは凄い。死を予期しやっと心を開いた早苗と、涙をこらえて励ますエリー。巧者の二人が相対するシーンは独特のオーラを放ち、引き込まれます。

熊虎とヤン衆の熱気溢れる余市の「動」と、エリーと早苗の嫁姑エピソードの終幕をしっとり描く竹原の「静」が並走する今週。どちらも目が離せません。

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名前無し

エリーはマッサンを "my love" と呼びますね。ギアがグッとラブモードに入ります。山崎での二人、良かったです。ゆっくり話せない二人が捻出した貴重な時間。赤ちゃんの話もできたし、お互いに相手の笑顔が支えになっていることを確かめ合った水辺のシーンは素敵でした。エリーが歌っていた "The Water Is Wide" (悲しい水辺)を連想しました。マッサンの入社が決まらない時、先へ進めない心境を託したような歌でした。対して山崎の水辺ではとても楽しそうな二人。ロケ地の美しさと開放感に加え、手に手を取って先に進む姿が二人の夢の実現が射程距離に入ったことを象徴する出色のシーンだと思いました。

改築も当初の西洋化一辺倒ではなく、日本建築の良さを残した和洋折衷なのがいい。日本人にはなれないけど日本が大好きなスコットランド人になる、と言ったエリーの考えがそのまま具現化されています。シャンデリアは浮いていますが、マッサンがエリーに耳を貸さなかった教訓として毎日目にするのかと思うと可笑しい。きっと後に北海道で建てる家には合うんじゃないかと想像しながら笑っています。

ご近所が出て来て賑やかになるのは私は好きです。人間臭いのがこのドラマの特徴だと思います。喜怒哀楽をストレートに表現しているので煩雑さも加わります。それでも決して下品な作風だとは感じないし、上品さだけを追求した作品では表せないものがこの作品にはあると思います。私はそこに深みを感じます。

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名前無し

私も、2014-11-16 03:26:59さんのご意見とほぼ同じです。
前作はあまりに特殊なので、比較対象にはなりません。比べるなら「カーネーション」や「ごちそうさん」でしょうが、あれらも朝ドラとしては特に秀作であるため、やはり比較対象にするのは酷なところです。
今作は、ドラマ作りの基本技術の面では十分に合格点で、あとは細かいところの好き嫌いや、脚本の巧拙についての評がいろいろと分かれる作品だと思います。

脚本については、確かに特段にうまいとは言いがたい。「カーネ」「ごち」のようにすべてのエピソードが一つのテーマに収れんされていく見事さや、心の琴線に触れるような、目からうろこが落ちるようなセリフや場面といったものに乏しいのは確かだし、ペース配分も、もう少し考えた方がいいのではないか、と思わせます。

しかし、今回の脚本は、主人公の人物造形が非常にしっかりしている上に、自然な人間的成長や人間的変化を描くのがうまい、と感じています。徹頭徹尾マッサンはああいう人間、マッサン=ダメ男という人物像が強烈に確立しましたが(笑)、それでもご近所づきあいの中で人を受け入れる柔軟さがついてきたことが、セリフや所作でごく自然に描かれている。
エリーも、最初はけなげでかわいらしいだけだったのが、日本に暮らすうち、いつのまにかたくましくマッサンをドライブする奥方に、また人の間で積極的に動く人間に変貌を遂げつつあることを、こちらはいつの間にか納得させられている。
脚本の妙味というのは、どれほど人をはっと引き付けることができるか、だけではないんだなあ、ということを今回のドラマで考えさせられた次第です。

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名前無し

マッサンが「停滞状態」であるのに対し、エリーは周囲の人たちと着々と人間関係を築いていますね。最初の頃は、「触らぬ神に祟りなし」と言っていたマッサンも、いつの間にかその人間関係の一部になっているようです。

エリーの「お節介」は、身近な人たちが困っていたり苦しんでいたりするのを放っておけない気質からきていると思いますが、こんなエリーでなかったら、そもそもマッサンと結婚することもなかったでしょう。スコットランドに留学していた時代、欧米の列強諸国の人たちから見れば、「三等国」からやってきた「得体の知れない"黄色い"東洋人」に過ぎなかったマッサン。しかも官費留学で帰国後はポストが保証されていたエリートでもなんでもなく、「日本で本物のスコッチウヰスキーを作るんだ!」と、途方もない夢を抱いていたのですから、こんな東洋人男性とスコットランドのミドルクラスの娘が恋に落ちて結婚するなんて、エリーの親族から見たら「下降婚」以外の何物でもなかったはず。でも、エリーは踏み切った。たった独りで闘っているマッサンの姿に「見て見ぬふり」はできなかったし、関わらずにはいられなかったのでしょう。それがやがて恋心に変わっていったのではないかと想像します。エリーの、周囲の人たちへの関心や温かい眼差しこそが、マッサンとエリーの物語の始まりだったと思います。

「お節介」または「世話好き」なところがエリーの欠点であると同時に、最大の強みにもなっています。
今のマッサンの呆れるほどのダメダメぶりもまた、欠点であると同時に、一度火が付いたらとことん闘い抜く最大の強みと表裏をなしています。

今の停滞状態や野々村家の問題が将来への布石なのかどうかは別にしても、この欠点だらけの主人公ふたりが私は大好きですし、このドラマも毎日楽しみにしています。

ちなみに、わたしは昔、関西の大学に通っていて、経済的な理由で家庭教師をしておりましたが、「たかが学生の家庭教師」に対して、生徒のお母様から家庭の事情はよく聞かされていました。由紀子さんがエリーにいろいろ打ち明けるのも不自然だとは思いません。

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名前無し

心から、良いドラマだったと思います。最終週の頃は、涙が止まらなかったです。録画はまだ残してありますが、しばらくはつらくて見直せません。
前作ではおおいなる失望のあまり、このサイトに書き込みしつつ大変な思いをしたので、「マッサン」については、放送終了後にようやくレビューを読んでおり、ベストレビューにある、2015-03-27の方のコメントに納得できました。

前作では特に、空襲時に翻訳原稿ではなくて、原書と辞書を持って避難するなど、脚本と演出がおかしい、あり得ない、と思う箇所が多すぎて、時代の先駆者であり奥行きが深く広い思索のできたモデルの女性をまるで描けていないと痛感してました。当時のサイトでは的確で核心を突いた批評が多い反面、擁護のための感情的な反論も多かったのが残念でした。
「マッサン」では、好意的な批評は深く多面的で読み応えがあります。否定的な批評も感情的ではなく、なるほど、というのも多いですが、どの朝ドラについても必ず見られる指摘だったように感じます。もちろん、人情喜劇にプラスアルファがもっと多ければ、という印象もありますが、例えば、戦後の本格ウイスキーの誕生過程などは、サントリーにも多く触れなければならず、難しいのではないでしょうか。

前作では、関連本を読みすすめるうちにドラマへの違和感が膨張するだけでしたが、本作ではいろいろな逸話を知るにつけ、史実への感嘆が深まります。実際の武鶴さんはもっと豪快な人だったようですが、私は、「マッサン」ではフィクション部分も、主人公夫婦のウイスキー作りにかけた勇気と情熱を薄めるようなものではなかったと思います。深く考えたくないエピソードもあったけど、とりわけ戦争の時代は、時間をかけて必ずきちんと描く必要があったと納得しています。
とにかく、あの時代の日本人の物作りにかける不屈の精神と、国際結婚を貫いたパイオニアの夫婦に感動しました。ついでに、多くの国際カップルの写真も楽しみながら、国際結婚を応援する気持ちが自然にいや増しましたし、明治以来の初期の国際結婚の例を調べたりもして、苦難の道を歩まざるを得なかったであろう例に思いを馳せたりもしてしまいました。

だからこそ、武鶴さんとリタさん、よく頑張ったね、ありがとうと心から言いたい。そして、最後まで、夫婦愛が丹念に描かれたこと、また演じきったシャーロットと玉山さん、脇で盛り上げたその他の役者さんたち皆さんに感謝します。
アドベンチャーとは、何とかなるだろう、失敗してもダメもと、雲をつかむような夢物語ではなくて、絶対にあきらめずに何とかやり遂げるもの、信念と勇気、そして、応援してくれる周りの人たちの愛によって。

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名前無し

このドラマ、うまく作れば本当に大河のようなスケールの大きい勇壮なドラマになったと思うんですよね。
それだけのモデルの実人生があったし、当時としては珍しい国際結婚の夫婦愛なるテーマに中島みゆきが朗々と歌い上げる壮大な主題歌と、題材はバッチリ揃っているんだから。

でもそれが全く生かされなかった残念なドラマだと今は思います。

特に前半は、ベタでありきたりなコント中心の浪花人情喜劇と主題歌のギャップに毎日悩まされ、おまけに竹鶴さんがモデルの主人公までどうしようもないダメ人間に描かれて(仕事もせずにただただ両手を振り上げ大声で怒鳴っているばかり)、モデルに対するあまりのリスペクトの欠如に憤りさえ覚えました。
もう視聴を辞めようと何度思ったか。

それでも見続けたのは日本初の本格ウィスキー造りという竹鶴さんの偉業がいかに実現されるかに興味があったからです。それに舞台は北海道の余市。いよいよスケールの大きな骨太ドラマ展開か、と期待しましたが、前半よりよくなったのはマッサンが落ち着いてシリアス調になったことだけ。結局ウィスキー造りは「時が過ぎて」で端折られてばかりで、今度は戦争中心のあざといお涙頂戴の創作悲劇で話を引っ張るだけ。皆さんも書かれていますが、エマと一馬の恋バナに2週間もかけたのは本当に理解不能だし、悟も取ってつけたようなシベリア抑留話で3級ウィスキーに繋げただけで、それ以外はまるで中途半端な扱い。エマとマイクの恋バナは論外です。
夫婦の話でもあるからエリーを重く扱うのはいいけれど、全体的に政春よりもエリーに置かれた比重のほうが大きい印象で、エリーの死で終わったラストからも、やはりウィスキーパートがおざなりにされた感がぬぐえません。

朝ドラとしては一見重厚なドラマのようでいて、その実どこかで見たようなありきたりな内容・演出ばかりの中身の薄いドラマだった気がします。エリーも前半のやけに上手な日本語に比べ、後半逆に台詞が減り発音もむしろ下手に思われたところは不自然でした
せっかくのいい素材なのに、本当にもったいなかった、今はそれしか感じません。

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名前無し

これはお茶の間になってしまうかも。ごめんなさい。
このドラマで判を押したような批判しか出てこないのは、娯楽性が薄いからだと思われます。マッサンとエリーを中心に、ベタに、そして脚本家が描きたかった二人を最期までくずさなかったために、もうそれ以上の文句が出ないというか。

はしょりはありましたが、この話は夫婦の話であると脚本家が割り切り(朝ドラに求められてるものもそれなのでしょう)ウイスキーの話はそこそこにしたために、NHKがウイスキーの歴史はここに、というあおりに期待してしまった方は残念な結果だったと思われます。

わたしは何話か観て、これはウイスキー中心ではないのだな(大多数に受け入れられることを目的とした朝ドラ。賛否はおいておいて)と割り切ってみられたのと、なによりシャーロットさんの演技がぬきんでいたのでお釣りが来ました。確かに、毎度立ち聞き(笑)はまたか~と苦笑する場面もありましたが、これもお約束かなあと。

『花子とアン』は面白いところは(娯楽性)はあるのですが、構成がかなりぐちゃくちゃで(個人的な意見です)『赤毛のアン』のファンの怒りをかなり買っていたのがあの批判の嵐を呼んだかなと。村岡花子という名前を前面に出してしまったことで、翻訳への努力をすっとばしてしまったことがファンとしては許せない人が続出したのでしょう。

マッサンも史実を読まれた方はいらっしゃるでしょうがそれはドラマを見るに当たってでしょうから、子供の時分からの『赤毛のアン』の想いとは段違いのはずです。コアなファンから観たら怒り心頭だったからこそ、スレッドには大変読み応えのある感想が羅列されたのかなと。

それとこれも個人的な意見になりますが、花子は最後までお人形のように感じました。マッサンはヒーローじゃないけれど、息吹を感じた。エリーはマッサンに寄り添う天使だった。ほぼほぼ毎回流れる彼女の歌を否定できる人がいるでしょうか。派手さはない、勢いはないかもしれない。けれど、マッサンは実直なドラマでした。エリーのたどたどしい日本語は、シャーロットさんの努力の証とわたしはいつもこころのなかで尊敬の念を抱いていました。

今日の感想は書いていないのですが、エリーが亡くなってしまいこころの整理がついてないので、また後日がんばってみます。

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名前無し

ドラマの中での戦争の扱いは、とにかく、しょうがないから、
というやっつけシナリオだと感じました。
こまれば、海軍降臨、金持ちだし、北海道住みだから危機感も薄い。
強いて言うと、エリーが特高に監視されて軟禁状態、というあたりが山だろうが、
このドラマの何が悪いと言って、エリーは戦前から家にばかりいる。
余市の地元の人との交流も、ほとんど同居状態の森熊家くらい。
エマやエマの友達とピクニックに行くとか、マッサンと小樽や札幌に出かけるとか、
余市周辺の教会に行くとか、何かありそうなのに、とにかく、家の場面しかない。
これで、軟禁状態が堪えて倒れると言われても、おかしいと思うのですよ。
いろいろ放送上の制約はあろうが、戦争について、何かを考えているようにも見えなかった。
モデルになった女性が軟禁されたから軟禁状態だけ作ってみました、という印象でした。

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名前無し

住吉酒造時代の真剣そのものだったマッサン、回想シーンでの留学時代の溌剌としたマッサン。失意のなかお芋の皮むきに勤しんで、怒りんぼうだけど全力でエリーを愛していたマッサン。色んなマッサンを見てきました。いま思えば「なんて長閑だったんだろう・・」と。
こんな大きな苦難・悲しみが控えているからこその、長くてのんびり、優しい期間だったのかしら。そんなふうにも思えるし、この配分じゃなかったら、辛くて堪えられなかったかも。
いつの間にかエリーとマッサンを大好きになっていて、取り囲む面々にも(まるで自分のご近所さんみたいに)すっかり親しんでいる自分に気付きます。
どんなふうに試練を乗り越え、人間がぶつかり合いながら成長していくのかがこのドラマの見所だと思っています。

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名前無し

ストーリーが本当にサスペンス調で予想外の嬉しい展開です。このあと紆余曲折があって鴨居商店にどうやら行くのかな? 史実ではそうらしいとの書き込みがありますが、ドラマではどうなるのかな。そうだったら余計落としどころが気になりますね。

明日はエリーが内助の功を発揮してウイスキーに合う料理を持参して事なきを得ることはわかっているだけに、そのあとの波乱が待っている事が史実を知っている人にも愉しめますね。もしかしたらドラマは違うかも知れませんが。

エリーはエリーで、ただただ愛らしい奥さんから、これが内助の功でしょうか、マッサンの夢を支えるためにはどうしたらいいかという事を考えあぐね、強い奥方に成長していくさまが物語として見応えがあります。内助の功って言い方は日本独特だと思うのですが、日本だけじゃないですよね。大統領夫人なんて大変な内助の功を発揮されています。まさに愛情の証というか、立派な仕事です。

それにしても、愛らしいさまから世話女房へ変貌を遂げるエリーを演じるシャーロットさんに脱帽です。笑みの浮かべ方が少しニヒルになったりと、表情の変化が物語にリンクしていてとても自然。ベタだベタだと言われるドラマですが、この時代に日本に来た外国人の女性の足跡の息吹が感じられ、わたしはとても新鮮です。ウイスキー造りもドラマチックに描かれているし、なによりこのドラマはキャラクターと物語がリンクしていて無駄なものがなにひとつない。それどころかかけ算になっていて、よくできているなあと毎度感心してしまいます。一話15分以上の見応えを感じています。

楽しく観てるからかも知れませんが「あんた誰や」も、なんでこんなところに平社員が顔を出すという嫌みだとわたしも解釈していました。わたしはこのドラマと相性がいいというか、演出方法と脚本家のファンなので、そういう事なのでしょうが。好みってありますよね。各キャラクターの心情をしっかり描きながら、軽やかさをだすため俯瞰で(少し退いて)撮る、という手法が肌に合います。朝ドラなのにスタイリッシュな撮り方は斬新。マッサンが人間臭いので一見そうは見えないのですけども。

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田中社長や鴨居社長に対し不機嫌な態度を見せたマッサンは、住吉酒造の社員としていかがなものか?と一瞬思いました。でも同時にマッサンの職人としての矜持を感じます。ワイン実験に集中したいマッサンにごちゃごちゃ話しかけ、邪魔にしかならない田中社長。実験が終わり、念願のウィスキー事業計画再開!と思いきや、ワインの営業に借り出す鴨居社長。このような場面で無愛想になってしまうのがマッサンなのです。模範的社員とは言えない正真正銘のウィスキー馬鹿(笑)。

それでも、普段は上から目線の鴨居社長がハッピを着て取引先に頭を下げて回る姿に、マッサンも二軒目からはきちんと態度を改めていました。何か感じるところがあったのでしょう。鴨居社長とマッサンの商人vs職人の対比がおもしろい、という意見がありましたが、同感です。

同様に、西洋vs日本の対比もおもしろい。他家の問題に口を出すな、とマッサンに忠告されながら、決まりそうになる優子の見合い話に口を出してしまうエリー。個人主義と家制度のぶつかり合いに、どうなるのかハラハラしました。激怒する母親に対し、エリーを庇った優子にじんわり来ました。自分の気持ちに蓋をしていたことに優子が気づいたのは、エリーに出会ったからこそ。異文化のぶつかり合いによる軋轢や発見を丁寧に描いたドラマだと思います。

職人気質なマッサンが有能な商人の鴨居社長から何をどう学び、ウィスキー造りに反映していくのか。エリーが日本人から、日本人がエリーから何をどう学び自分の人生に反映させていくのか。毎回、わくわくしながら見てます。

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名前無し

マッサン、大好きだったな。毎日15分があっという間に過ぎて、放送時間に合わせて家事をしていたのが懐かしい。マッサンやエリーからいっぱい幸福感や満足感をもらい、毎日にハリがあった。こんな感じが朝ドラの魅力なんだろうな。本当に楽しい日々でした。

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名前無し

毎週毎週、本当に心に染みる場面があり、あたたかい気持ちにさせてもらいました。

笑えて、泣けて、まるでマッサンたちとそこで暮らしているような気持ちになりました。
そんな時間を半年間、変わらず届けてくれた脚本が素晴らしいです。

役者陣の演技も表情がよかったし、それを押さえるポイントもよかった。

設定もしっかりと貫いていてブレることがない。
よくできたドラマです。
面白かった。ドラマにうるさい主人が初めてはまった朝ドラ。
我が家では朝ドラ=マッサンになりそうです。

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名前無し

↑の方に同じく、私もマッサンロス。

で、今しがた、録画していた最終週を一気に視聴(リアタイでも見てますが)しました。

後半になって批判が多い作品です。
私自身も、いろいろ突っ込みながら(ペース配分とか)見ていたのだけれど、
それもひっくるめてとても好きな作品だ。と言いたい。

このサイトでも、批判している方の言い分ももっともだなー
と思う事のほうが多いのですが、肝要な部分は押さえてあるような気がしているんですよね。

モノづくりとはなんなのか。
後継につなぐ意味とはなんなのか。
夫婦の愛、親子の愛、郷土愛。
周囲の人と、どう関わっていくか。

それらについて、とても考えさせられました。
奇しくも、次作は「夢」を見ることに対して否定的な導入なので、余計…

夢を現実にするか、
夢(というよりむしろただの妄想?)
のままで終わらせるか

というのは、イコール
自分の理想にどうアプローチしていくか
ということだと思います。
遠回りだったとしても、
日々、理想近づくため・夢を叶えるために邁進する。
そのことが大切なのではないでしょうか。

人の一生てなんだろう。
幸せってなんだろう。
生き方を見つめなおす機会を
与えてもらったような気さえしています。
脚本、音楽、演者の方々。もちろん裏方さんも。
ありがとうございました!

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名前無し

マッサンは全編通して、真面目で王道の演出が多いし、それはもちろん安定していいことですがそれにも増して今迄も神回演出、神回演技がかなりありました。
昨日の雪の中の2人。
映画のワンシーンのように美しく、若い頃の回想や、娘エマの成長や恋をうまく織り交ぜて、素晴らしい演出でした。もう胸が苦しいほどでした。
あと3日。たぶん神回連続でしょう。
まだまだ見ていたいと思える朝ドラに久しぶり出会えて、終わってしまうのが本当に寂しいです。

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名前無し

誰も手掛けていないことを成し遂げ、その道のパイオニアであったとしても、それがイコール即成功にはならない、ということだ。マッサンの道は険しく曲がりくねっていて、時には思いもよらない事件にも遭遇し、道のりは遠い。いつになったら美味いと評価され真価が認められる日が来るのだろう。

マッサンの夢とそれを叶えるために異国の日本にやって来たエリー。エリーの支え無しにはここまで来ることは出来なかった、とマッサンは言う。それは、今まで見てきた二人の歩みを振り返れば、まさにその通りではないか。悩めるマッサンを励まし、目指すべき方向へ優しく背中を押し続けたのはエリーだった。

その二人が戦争によって敵と味方の国同士に離れて暮らすなどという選択は無いだろうと思う。エリーから受け取った献身を今度はマッサンが返す番だ。

二人の夢が叶う日を、二人で祝えるようなエンディングにしてほしいものだ。

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名前無し

羊蹄山を映し出したのは北海道の雄大さを表現する演出でしょう。イメージがモノを言うドラマの世界ですから。劇中ではただ「あの山」として出て来るだけなので問題ないと思います。中島みゆきさんへのオマージュでもあるのなら素敵ですね。

ちなみにこの山を超えたところに出て来た海岸のシーンも(全部とは言えませんが)、余市よりずっと東に位置する積丹半島の島武意海岸が使われています。他にも、熊虎のニシン御殿やマッサンがウィスキーを売っていた旅館は札幌にある建物だし、マッサンがウィスキーかついで歩いていたのも札幌・野幌森林公園の並木道。ヴィジュアル効果を得るため、最良の絵を求め色んな場所をロケハンしたのでしょう。

結果、息をのむような美しい景色とともに当時の北海道の雰囲気がこのドラマ世界に再現されていると思います。

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名前無し

おもしろく見ています。
私は、北海道の山の中で育ちました。
行商の人が来てくれるとそれだけでありがたくて・・。
残ったの全部もらうよって言っていた祖母の言葉思い出します。
留萌から、背負ってきたくれたのだから、帰りはせめて軽くして返してあげなきゃ・・・。ってよく言ってた。昭和30年代です。

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名前無し

まさか水曜日の放送で目頭が熱くなってしまうとは予想外でした。

日本人とスコットランド人の間に生まてくる子どもが日本の社会で差別にあう可能性と、その汚い部分を隠そうとする日本人の姿を、英一郎がズケズケと指摘するシーンも意外性に富んでいました。

これまでたった独りで闘いつづけてきた英一郎と、誰よりも彼の心の奥底にある思いを理解するエリー。
「エリーはいつも前向きじゃのう」とマッサンは言うけれど、エリーには「後ろ向き」になれる余裕などなかったはずです。
これまでエリーが母親に手紙を書かずにきたのも、「前」だけを向いて生きていかなければ、急な斜面に足をとられて滑り落ちてしまいそうな恐怖感があったからかも知れません。
日本での暮らしにも慣れ、マッサンの山崎の蒸留所でのウイスキー造りも始まり、自分が妊娠して母親になろうとしている今、やっと母親に手紙を出す気になったエリーには、父親との軋轢に苦しんでいる英一郎の気持ちが痛いほどわかるのでしょう。

マッサンについて期待外れだという意見があるようですが、私はそうは思いません。
留学中は確かに言葉や文化の壁の他に「東洋人」への差別などもあって、さぞかし大変だったことでしょう。でも留学中の苦労は、マッサンにとっては「努力次第で報われる苦労」でした。
それに比べて帰国後の、思い通りに事が進まない苛立ちや焦りは、個人の努力だけではどうにもならないレベルのものでした。
「停滞期間」中のマッサンがグダグダしてしまったのは、例えていうならば、ウイスキー造りという「目的地」だけはわかっているのに、自分が今置かれている「現在地」がわからないことと、方向を知るためのコンパスを見失っていたからでしょう。

鴨居商店で働くことによって、ようやくウイスキー造りの「現在地」とコンパスを手にしたマッサンですが、やはりややこしい人間関係は続きます。
けれど、ここで仕事だけに打ち込んでしまったら、鴨居の大将と英一郎親子の二の舞を踏んでしまうことになります。子どもは親の背中を見て育つもの。父親になろうとしているマッサンが仕事だけでなく、家族や自分と繋がっている社会のなかでどう生きていくのかをドラマで描いていくのも悪くないと思います。

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名前無し

「マッサンは正直者で嘘をつかない」と言う説があったのでしょうか?ドラマ開始時にマッサンがエリーに嘘をついたことは視聴者は当然知っているので、その説は明らかに変です。それって、マッサンは「自分の気持ちに対して正直」という意味ではないでしょうか。嘘をついたのもエリーに心配させたくないという自分の気持ちに正直だったからでしょう。

猪突猛進なマッサンが急に方向転換できるはずもなく、鴨居社長のところへさっさと行く方がキャラブレだと私は思います。住吉酒造で夢の実現に邁進していたマッサンが、退職することになり停滞期に突入。言わば、停滞期に猪突猛進してしまったわけです。そして走り出せないままマッサンに迷いが生じた。そういう時期を描いていたと思います。今週で吹っ切れたようですが。

停滞や迷いをキャラブレと見るかどうかは、視聴者の解釈によると思います。私の解釈では、マッサンはいろんな経験を通じ変化しているとは感じますが、それをキャラブレとはみなしません。マッサンは常に自分の心に従って行動している、と捉えています。

いろんな見方があるのは当然だし、だからレビューを読むのがおもしろい。批判・肯定に関わらず、真摯に書かれたものはいろいろ考えさせられます。楽しく読んでいますよ。

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名前無し

先週一週間も楽しくみました。
話しが停滞してるとか、違う方向にいっているいう意見もあるようですが、
私はウィスキー作りだけがみたいのではなく
日本で初めての国産ウィスキーを作った
マッサンとエリーのそこにいきつくまでの
苦労や楽しい事、紆余曲折を経て、ウィスキー作りに取り組んでいく、2人のひととなりが知りたい
そういう意味では、今2人はまだまだ成長過程。
それを知った上で、ウィスキーができあがったときの、感動をいまからワクワクしてみています。

私は、人をみたいのです。人と人とのつながりがみたいのだと、強くかんじます。
また、広島に戻るようですね。
広島の人びとも素敵なかたばっかりだったから
マッサンやエリーとどうつながっていくかを
楽しみにしたいと思います。

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名前無し

このドラマは、一見地味に見えるけれども、前にだれかがおっしゃっていたようにけっこう挑戦的な作品なのかもしれないと思えてきました。
第一に、朝ドラのおもな視聴者である主婦層や高齢者の好みに合わせた作り方をしていない、ということに気づきます。
女性好みの画面や話題・雰囲気などで目や関心を引こうとしていない。どちらかというと男性っぽい骨太な絵の連続、どっぷりと入り込んでしっかり筋をたどっていなければわからなくなるストーリー、平面的で一目でわかる舞台展開でなく、さまざまな視点からの立体的で動きのあるカメラワーク、勇壮な主題歌…

かといって、決して晦渋な話にはなってなくて、極めてわかりやすいのは、やはり朝ドラという感じがしますが、その点は守りながらも、視聴率獲得の手段としてメイン層の好みにおもねることはしない、というポリシーを感じます。
こういう一徹さも清々しくていい。視聴率を稼ぐことに腐心するよりも、まず良質なドラマ、いい物語を作り上げることを追求し続けてほしい。応援しています。

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連続テレビ小説 マッサン Part2 (NHKドラマ・ガイド)