3.67
5 630件
4 133件
3 62件
2 83件
1 261件
合計 1169
読み ごちそうさん
放送局 NHK
クール 2013年10月期
期間 2013-09-30 ~ 2014-03-29
時間帯 月曜日 08:00
出演
食い倒れの街大阪を舞台に、東京から嫁いできた卯野め以子が関東・関西の食文化の違いを克服しつつ自ら作る料理と夫への愛情で、大正・昭和の二つの時代を生き抜いて力強い母へと成長していく物語。

いいね!の投票数順に 30 件(最大30件)のレビューを表示しています。
投票数が同じ場合は新しい順です。
レビューの時間をクリックすると、そのレビューの書き込まれている位置に移動します。
いいね!投票数 7 票
名前無し

ランキングなんてどうでもいいです。演技力も関係ありません。
脚本がいいのはそのとおりですが、それだけでは「ごちそうさん」は出来上がりません。
登場人物たち全員がかけがえのない存在で、キャストもめ以子、悠太郎から魚屋の銀次さん、ご近所の高山夫妻、あるいは開明軒の山本さん(ポンちゃん)やタマちゃん、クマさんに至るまで、みんな彼女たち、彼らでなくてはいけないんです。杏ちゃん以外のめ以子は考えられません。悠太郎だって東出くんでなければだめです。すべての役のすべての役者さんたち、誰も代わりはいません。

去年の秋から半年、リアルタイムで見てきた「ごちそうさん」も楽しかったけれど、作品として出来上がったものを見返すたびに、単に好きという言葉では言い表せない何かを感じるのです。
こんなふうに感じるドラマに、初めて出会った気がします。しかも、もう二度と出会うこともないように思いますし。
なんでしょう。なんといえばいいんでしょう? 
秀作? 名作? 
そんな言葉で飾る必要もありません。むしろ必要ない。「ごちそうさん」の多様性、ユニークさは、そんな言葉におさまりきるものではないのです。
すべてが素晴らしいなんていうつもりもありません。くせが強いのは確かですから、受け付けない人は受け付けないんだろうなとも思いますし。
まあ、要するに「ごちそうさん」という世界があって、その世界に引きつけられて、離れられないって感じですかねえ。
う~ん、うまく表現できない。
逆説的ですが、変なドラマです。

    いいね!(7)
いいね!投票数 6 票
名前無し

終わりましたね。

見合いの席から飛び出しため以子が着物姿で土手を走り、悠太郎さんのボートを追いかけて川にどっぽん。濡れそぼりながら逆プロポーズした。あの頃はこのドラマが大好きでした。頑張ってスコッチエッグも作ってみたし(笑)。それが大阪が舞台になった途端、小姑による嫁いびりと女同士のいがみ合い。そこでちょっと嫌になりかけたけど、キムラ緑子さんと宮崎美子さんの芝居のうまさから、単なる嫁いびりを超えた面白みや味があるのを感じてまだ楽しめました。

でも、年が明けて、正確にはふ久の火付け・石投げエピの頃からこのドラマについていけなくなりました。やたら衝撃的だったり思わせぶりなエピを次々に放り込んで視聴者を引き付けようとするやり方。思えば和枝の結婚詐欺や自殺未遂の頃からその兆しはあったんだけど、後半特にそれを強く感じるようになりました。それと週ごとに食のテーマを決め、最後は食べもので何でも解決してごちそうさんのパターン。食のテーマにこだわるあまりに強引な展開が増えたように感じました。さらに後半になってからやたらと登場人物がドラマのテーマそのもである”ごちそうさん”を口にする機会が増えたのも好きではなかった。正蔵さんが亡くなる時などいいシーンもあったけど、祝言の席で新郎新婦がお礼代わりにごちそうさんと言ったり、終戦後の焼け野原でめ以子と室井がごちそうさんを連呼。そして終戦後は、戦争で人並みに苦労や悲劇を味わっため以子が一文無しになり、どんなふうに立ち上がり逞しく生きていくのかと思ったら、困ったときは打ち出の小槌のように倉田さんからの金銭的援助。こんなあれやこれやで私はこのドラマの脚本、演出色々な面で”過剰”なものを感じ、途中から胸焼けがし辟易してしまったというのが正直なところです。あとヒロインめ以子の悪気はないけど押し付けがましかったり無神経なキャラクターは、やっぱり好きになれませんでしたね。杏さんは頑張ったし演技も特に下手ではないと思うけれど、元々が知性的でいわゆる可愛げのある女優さんではないので、そのせいもあったかもしれません。

たしかにテーマや本筋、ヒロインのキャラクター設定に大きなブレはないし、ストーリー展開のうまさなど、よく出来たドラマだとは思うけれど、その描写に疑問を感じ、後半は全く楽しめませんでした。でも、和枝さん=キムラ緑子さんがよかったので星1つおまけです。

長々と失礼しました。

    いいね!(6)
いいね!投票数 5 票
名前無し

森下さんの脚本が素晴らしかったのはその通りだと思います。それが根底にあってこそでしょう。でも、それだけでは「ごちそうさん」は出来上がらなかった。キャスト、演出、音楽などすべてがあわさって、私にとって決して忘れることのできない、愛すべき「ごちそうさん」になったのだと思っています。

ゆずの「雨のち晴レルヤ」を聞くと、懐かしさで胸がくっとなってしまいます。いまでも、思い出したように見返しているのに、です。何回も見ているのに、見返せば、笑ったり、うるっとしたりして、「ごちそうさん」の世界にどっぷり浸れます。完結しているから、いろいろな複線とかがわかって、感心しながら見ることができます。25週すべてが面白かったですが、「汁の棲み家」のように特に密度の濃い週を見直すと、やっぱり感動してしまいます。祝言のエピソード、希子ちゃんの意図がいまはわかっているので、和枝さんに出席してもらうため、め以子に表に出ないでと言った希子ちゃん、つらかっただろうなとその心を思いやることができます。でも、リアルタイムで見ていたときは、「なんで?」って思ったなあ、なんてことも思い出したりします。

「雨のち晴レルヤ」で胸がくっとなってしまうのは、あの歌が流れて始まった朝を、この先どうなるのと見ていて、思いもしなかった感動の場面に出会い、思わず涙ぐんだり、一方で、いらいらさせらり、呆れたりした日々を、懐かしく思うからかもしれません。「ごちそうさん」で始まった朝、あの日々は本当に楽しく、幸せな時間でした。もう二度と持つことのない時間のようにすら思ってしまいます。

    いいね!(5)
名前無し

ここはごちそうさんの感想サイトですよ。
感想を読ませていただいて、違う、そうじゃないよって思ったら、自分の感想をいいたくなるのは、自然ではないでしょうか。人情ってもんです。大人げないかもしれませんが。それに、別に擁護しているわけではなく、素直に好きだという思いとその理由を述べているだけだと思います。

で、私も感想を。
め以子は、ごく普通の一般庶民です。戦中戦後の厳しい状況下、自分が生きていくこと、家族を守ることが一番になって当たり前だと思います。め以子だけでなく、きっと誰もがそうでしょう。普通の庶民であれば。米はめ以子が生きる糧として、借金をして倉田さんから買ったもの。大事に思って当然です。食べ物だから大事ではなく、生きていくために必要だから大事なんです。め以子は聖人君子ではありませんし、欠点もたくさんあります。でも、バイタリティにあふれていて、そして、自分の出来る範囲で他人を思いやることのできる人間です。たから、炊き出しもしていたんです。かーっとなって突っ走って反省し、ちょっぴり思い上がって反省し、そんなことを繰り返して、ごちそうさんになっていった女性です。
闇市で捕まった子どもたちも決して罪のない無垢な子どもたちではなく、たぶん、生きていくために仕事をしていた浮浪児たちです。源ちゃんが靴磨きの仕事を世話していました。
ごちそうさんは、人間の弱さや醜さからも目を逸らしません。でも、それでいいと許しているわけでもない。め以子も子どもたちも捕まりました。だって、闇市は違法ですから。
人間を決してきれいごとには描かないけれど、根底にあるのは、すべてを包み込むような人間への愛です。人間賛歌です。だから、ヒロインを含め、欠点の多い人間たちの集まっているドラマが、こんなにも愛おしいものに思えるのだと思います。私は。

    いいね!(5)
名前無し

和枝には自分も姑からひどい仕打ちを受けた、と同時に自分がそれと同じことをしている、という自覚があったのだと思います。自分は自分を追い出した姑を芯から憎んでいる。ですから意地悪をされた嫁のめ以子は同じように自分を芯から憎むはずだ、そうでなければ自分の抱いて来た憎しみの感情を否定されることになるのです。め以子のようにかわすばかりか、こんなにひどい仕打ちをしているのに自分を好きだと言われれば、それはまるで姑に対してそういう感情を持てなかった、そういうふうにできなかった自分をさげすまれているように感じる、元々の性格が誇り高いがゆえにそれが許せないのだと思います。

和枝はたぶん元々は人に意地悪を自分からするような人間ではなかったのだと思います。でも誇り高い彼女は理不尽にいじめられたことを誰かに多い切りぶつけてそういう行為自体を否定されることを心の底で願っていたのではないでしょうか。だからこそ「(こういう)自分を追い出すのは嫁と言う立場のあんさん(め以子)」でなければならなかったのだと思います。

非常に屈折した心理ではありますが、芯から誇り高い人が自分を根底から否定された時にそういう方向に行ってしまうのは何となくわかるような気がします。単純でただ相手を憎んでそれを自分で100%肯定できる、とか無自覚で他の人をいじめてしまうような女性ではなかったのでしょう。だからこそよけい自他共に厄介な人、とも言えるのですが、同時に実は人の痛みも理解できる人であり、妊婦のめ以子の食事に毒を入れたりできるような人でもなかった、ということなのでしょう。め以子には勝てない、ということがよく分かっていたからこそ自分から「出て行く」とは口が裂けても言えなかったのでは、と思います。

私なりの解釈ですが、め以子が言うように繊細だからこそあんないけずもできたし本当は人を幸せにもできるし、自分も幸せになれる人なのだと思います。
め以子は鈍感のように見えてそういう和枝のことを彼女が自分に作ってくれた料理を通して理解したのだと思います。め以子が流産寸前になって和枝の料理を食べる、という設定がなければめ以子はおそらく和枝を理解することはなかった、と思います。静もあんなにされながら出て行かなかったのは和枝の料理にめ以子が感じたのと似たようなものを感じていたからかもしれません。最初に「和枝ちゃん、料理はうまいで」みたいな台詞もあったと思います。

その人の作る料理を通してその人の本当の姿を知る・・そういう意味でも「食」「料理」に大変重きを置いているドラマだと感じます。

    いいね!(5)
いいね!投票数 4 票
名前無し

何回見返しても、同じところで泣けるのはなぜなんでしょう。わかっていても泣いてしまいます。たぶん、ごちそうさんのみんなはドラマの登場人物ではなく、それこそ家族や友達、親戚みたいな存在になっているからかもしれません。
だから、喜びも悲しみも、彼らと共有してしまうのでしょう。そのままストレートに胸に刺さってくるから、何度見ても泣けるのだと思います。

70年目の夏が来ました。
戦争をこれほど生活に密着して描いたドラマをほかに知りません。声高に反戦を叫ばないからこそ、逆に戦争の恐怖を感じます。
当たり前のようにあったものや人が、次々に身の回りから失われていく、その恐怖。いちごや砂糖がなくなったとき、この国はどうなるのだろうと、め以子はおびえていた。それが戦争という現実。
そして、かっちゃんが出征し、悠太郎が満州へ行き、空襲で家が焼かれ、お静さんやふ久が疎開先に去り、うま介の仲間たちとも別れ、泰介が出征し、そして、かっちゃんが……。
東京の開明軒で幸せに育てられていた頃から、大阪に嫁ぎ、複雑な西門家の家族の問題を乗り越えて、いろいろな人たちの力を借りながらも、幸せな食卓をつくっため以子は、一人になったことがなかったのに。そんなめ以子がひとりぼっちで食卓につく。戦争が奪っていったものの大きさを改めて感じながら、め以子の姿に涙しました。胸が痛みました。

やっぱりごちそうさんのみんなはドラマの中ではなく、同じ世界のどこかで生きている知り合いなのだと、そんなふうに感じてしまうのです。

    いいね!(4)
名前無し

「ごちそうさん」ほど伏線・回収の上手い作品は滅多にお目にかかれないです。やはり森下さんはそういうのが上手かった。
主演のめ以子、悠太郎さんの魅力はもちろんのこと、脇役(お静さん、和枝さん、のりこちゃん、源ちゃん、うま介さん、室井さんら主要な脇役ほぼ全員)の魅力が突出してました。主演の魅力を出しつつ同時に脇役1人1人に次々スポットを当て、そのキャラクターの二面性までも引き出すことで立体化し人物が生きていた。それが見事にストーリーと一体化していく凄さ。ストーリーもほぼ無駄がなく見事でした。
「カーネーション」「ゲゲゲの女房」も好きなのですが、こちらは隙がないほど完璧なストーリー、キャラクターで本当にすごいと尊敬してますが、基本「ごちそうさん」はダメダメなところが前面に出てくるけど、見てる私自身が駄目なところが多いので、「ごちそうさん」め以子含む他の登場人物たちは沢山失敗もするし多少、浅はかなところがありつつ、微妙にちょっとずつ成長してる人物たちを見ていける安らぎました。今後も朝ドラは素敵なヒロインは登場するだろうし、楽しませてもらうだろうけれど、自分にとっては「ごちそうさん」以上のものは多分、巡り合えない気がするので、今後も定期的に見直して大事にしたい作品です。

    いいね!(4)
名前無し

総集編を観て一番好きなのはふ久と諸岡君のエピソードです。おいしいが分からなかったふ久は好きも分からなかったのかと、諸岡君と出会えてよかったとつくづく思いました。ふ久は友達もいなかったから、泰介と諸岡君の仲にあこがれ、諸岡君が遊びに来なかった間寂しかったけど、その感情もよくわかっていないようで、かわいらしなぁと思ってしまいます。自分とは真逆のように不必要なまでに生真面目でさわやかな諸岡君に惹かれたいたんだなぁと、諸岡君も何気にふ久の事は気になっていたのかと思い、だからこそふ久の申し出を断り、切ない思いをしていたところに、泰介が仲を取り持ってくれて本当によかってと思いました。私も諸岡君のような不必要なまでに生真面目でなんていい人なんだと思わせてくれる人がタイプなので惹かれるふ久の気持ちが分かるような気に勝手になっています。

    いいね!(4)
名前無し

総集編 忙しいのについ見てしまいました! いろんなエピが見事な繋がりを見せて、、。
杏さんの演技の素晴らしさ、、ヒロインの能天気さと人を思い遣る表情の自然さ。
特に緑子さんとの迫真の演技合戦には息を呑みました。
あれだけ上手い人の演技が受けられるのはたいしたものですよね。
菅田将暉さんも、光希さんも緑子さんも活躍されてます。
コメディとしての面白さもありますし、脚本家さんの本領ただ甘くない人の複雑な感情も生きており
かなりの傑作だったことが改めてわかりました。

東出さんと杏さんの入籍も喜ばしいことですし、本当に見る人を幸せな気持ちにしてくれました。

    いいね!(4)
名前無し

昨日は「雨のち晴レルヤ」が途中までしか聞けなかったので、放送終了後に動画サイトでフルバージョンを聞きました。なんだか涙があふれそうになりました。
自分がどれほど「ごちそうさん」を好きなのか、あらためて確認した一日でした。
「ごちそうさん」を私たち(あえて複数形でいいですよね、きっと思いを共有できる方がたくさんいると信じています)に届けてくださったすべての人たちに感謝です。
ありがとう。
でも、ごちそうさん、とはいいません。
まだまだ、何回でも見直すでしょうから、しょっちゅう「いただいている」ので、ごちそうさんはいえません。
「ごちそうさん」にごちそうさんという日は、永遠に来ないような、そんな気がしています。

    いいね!(4)
名前無し

現代ではない時代を描くとき、大切なのは、そこに現代の価値観を持ち込まないことだと思います。戦国乱世、骨肉相争ってまで武将たちが天下を目指していた時代に、戦はいやだとか、平和が大切とかいわれたら、鼻白むでしょう。ドラマを見ている側は、歴史を知ってますから、そっちを選んじゃだめとか思いながら見ていて、でも、ドラマの中では、結局、してはいけない選択をして墓穴を掘ったり、ピンチに陥ったりする。そこにリアリティを感じるわけです。

ごちそうさんは完全なフィクションです。でも、そういうリアリティを感じることができました。特に戦時中の描写について。まず、戦後の平和主義的価値観を持ち込んでいないこと。め以子は、「お国のため」と、最初の頃、当たり前に言っていましたから。
何よりもすごいなあと思ったのは、かっちゃんの描き方です。戦時中、労務調整令でかっちゃんは夢である料理人になることはできませんでした。唯一の道が軍隊に行くことで、だから、「兵隊さんのごちそうさんになる」とかっちゃんは志願したわけです。で、最悪の場合を考えて、やりたくもないことをやって空襲で死ぬより、好きなことをして戦死したほうがまし、と悠太郎はかっちゃんを行かせることを選択しました。
でも、たぶん戦後、悠太郎もめ以子も、行かせたことを痛烈に後悔したと思うんです。生きていれば、戦後、かっちゃんはたぶん夢を叶えることができたはずですから。だけど、当時、悠太郎は空襲で死ぬか、兵士として戦死するか、という、近視眼的な選択をしてしまった。いつかは戦争は終わる、労務調整令だって未来永劫のものではないはず、という考え方だってできたとは思うんです。でも、悠太郎は空襲というものの恐ろしさを身近に感じる仕事をしていた。現在進行形でその時代を生きているとき、あとから振り返れば間違いだったと後悔する選択をすることもあるんだと思うんです。そこに、あの時代を生きたのだという、残酷なリアリティを感じました。

まあ、ごちそうさんはフィクションなんですから、かっちゃんは生きていた、でもよかったとは思うんですけどね。そういう展開を、むしろ望んでいた視聴者も多かったと思いますし。でも、そうしなかった。すごいなあ、と思います。そういうところくらい、ご都合主義でもよかったのに。かっちゃん、悲しいよ。

    いいね!(4)
名前無し

今、発売中の週刊文春に阿川さんとキムラ緑子さんの対談が載っていて面白かったです。
「ごちそうさん」の話題もたくさんしてくれて、阿川さんの「ごちそうさんの意地悪な小姑役で注目されるのはわずらわしくない?」との質問に緑子さん「いやいや、こんな幸運があっていいのかと思います」って、本当に嬉しそう。
他にも緑子さん台本読んであまりにも意地悪な役だったから戸惑ったみたいですが、杏ちゃんに随分、助けられたとのこと。
「いけずする場面ではなりきってからかなりこわかったはず。でも杏ちゃんって撮影が終わると『面白かった』みたいに飄々としてて、(中略)もし杏ちゃんが正面から受け止めちゃう人だったらテレビを見てる人にもそれが伝わって自分は『もう出てこないで』と思われていたはず。そうならなかったのは杏ちゃんのおかげで「痛く」ならなかったおかげなんです」とのこと。

これを読んで何だか納得したのは、(変な言い方になりますが)杏さんって普通の女性っぽい感じがありながら、どこか飄々とした妖精のような雰囲気がありますよね。そういう杏さんがヒロインだったから長い戦争描写があっても見続けれたような気がします。
今考えるとあの頃は毎日、何か妖精のような不思議な魅力の杏さんに癒されていたから、いまだに「ごちそうさん」が忘れられないのかも。

阿川さんいわく「深刻な高齢化問題も抱えてるこの時代、キムラさんのようなマチュアでまっしぐらで生き生きとした大人の女性の出現は国家単位での喜び」と書かれてますが、まさしくそのとおりだな、とまたまた納得。
えてして若い女性ばかりにスポットがあたりがちなドラマの世界で和枝さんのような魅力的な人物を作り出したのは森下さんの大きな功績の1つ、だと思います。
緑子さんが大事に思ってる「ごちそうさん」を好きで良かった、とジワジワ暖かい気持ちになりました。

    いいね!(4)
名前無し

め以子が軍の偉いさんから、砂糖をちょろまかしてきたエピソード。放送当時から、非難囂々(?)でしたけど、私はむしろ痛快でした。いや、もちろん泥棒がいいという意味ではないです。自分が欲しいというより、あるところにはある、ことに「あんまり腹が立ったから、いただいてきた」。だから、め以子、その砂糖を使って子どもたちにごちそうしてました。あれは、め以子の、お上へのささやかな抵抗。だから、痛快に感じたんです。しかも、め以子は自分では意識していない。信念どころか、深く考えてもいない。泰介いわく、「生まれつき、性分」(笑)。悠太郎さんも「今はあなたの性分そのものが自然と反骨になってしまう」

でも、そんなめ以子でも、和枝さんのところで、一人でいたときには、ずっと考えていたと、戦後、泰介にいっていました。どうしていたらこんなことにならなかったんだろうって。答えは出たのかと聞く泰介にめ以子はいいます。

笑われても、恥ずかしいても、怖うても、言わなあかんことは言わなあかん。
無力な大人の責任や。
偉い人は、言わさなあかん。
どっちも無責任だったんや。

導き出した答えは「お上が悪い」ではないんですよね。「自分たちにも責任がある」なんです。そこがすごいって思うんです。

「ごちそうさん」というドラマそのものが、庶民は何も知らされていないかわいそうな被害者的スタンスに立っていない。戦争を描くときにありがちな「庶民=被害者」と一線を画している。
お上(国)は、食べる物から、好きなことを言ったり書いたりする自由や、そして愛する人まで、め以子たちからいろいろなものを奪っていきます。それこそ大泥棒です。そんなお上に、やや非常識な形で抵抗する庶民の姿が描かれていて、だけど、そんな時代にした責任は庶民の側にもあると自覚させている。

「ごちそうさん」の戦争の、そんな描き方に感銘を受けるんです。同じ時代を生きているんだから、少なくとも大人は誰も傍観者ではいられないんだよって、言われている気がして。

もっとも、「戦争編」だけが特別に好きってわけじゃないし、理屈なんかつけなくても、大好きなんですよね。「ごちそうさん」

    いいね!(4)
名前無し

感想サイトなので、この前見直した「乳の教え」の週を感想を。
甲子園大会真っ盛りですね。この週は源ちゃんが食べられなくなる話で、週タイトルもそこからとられていますが、週を通して描かれていたのは泰介の青春。甲子園への夢と挫折、見失いかけてしまう生きる意味と、そこからの再生。そんな物語です。
週の前半は、手にすることが決して非現実的ではない、むしろ叶うかもしれない夢の甲子園に向かっている泰介と諸岡くんをみんなが応援する様子が描かれます。でも、甲子園は中止となり、夢は奪われてしまう。泰介はそのことを悔しがりながらも、どこかで醒めていて、どうせ20歳かそこらで兵隊に行くまでのことと思っている。ちょうどそのとき、源ちゃんが倒れて、西門家に運ばれてくる。物が食べられない源ちゃんに、必死で食べさせようとするめ以子。そんなめ以子に泰介はいいます。元気になったらまた戦争に行かされる、そのたびに辛い思いをするくらいなら、いまここで静かに看取ってあげるという考えはないのか。め以子は、一喝(ここでのことがのちに泰介が出征前夜、お母さんは一番大事なことを教えてくれた、につながるのですから、つくづく見事な脚本だと思います)。また、源ちゃんも、1000人のおねえちゃんとつきあうという夢を泰介に語ります。そんな源ちゃんに、泰介は涙します。どないしてん、と源ちゃん。どうしたんでしょうね、と涙がとまらない泰介。なんとか生きさせようとするめ以子と、生きようとする源ちゃんを見て、泰介は、死んだように生きていたら罰があたる、いつか甲子園に行くと、悠太郎に語ります。
夢に向かって一生懸命だった泰介が、夢を奪われ、戦争という時代ゆえに、また、聡明であるがゆえに生きる意味すら見失いかけるけれど、生きるということが命の犠牲の上に成り立っていることを、め以子や源ちゃんに教えられて、生きることの意味を取り戻していく。その心の揺れ、迷い、吹っ切るまでの過程がきちんと描かれていて、サイドストーリーではあっても、泰介の青春の一幕を切り取った物語として成立している。こういうところが「ごちそうさん」のすごさだなあ、としみじみ思うんです。すべてのキャラクターに血が通っている。しかも、そうしたこまごまとしたエピソードやら、何気ないセリフやらが、それ以前に描かれていたものを受けたものであったり、のちのエピソードに結びついたりする。森下さんは最初の段階で、すでに最終の25週までのプロットを考えていたそうですが、そこまでこだわらなければできない芸当ですよね。だから、「ごちそうさん」は重層的なドラマとなり、何度見ても飽きないのだと、改めて思っています。
最後にこの週の泰介のエピソードの中で、一番気に入っているシーンを披露して、私の感想とします。
甲子園への夢を奪われた直後、学校での泰介と諸岡くんふたりのシーン。熱いですね、諸岡さんは、という泰介に、お前は悔しくないのか、と問い返すと、悔しいけれどどうせ20歳かそこら…と、無気力な泰介に諸岡くんがいいます。「そやからこそ、今しかない思わんのか!」温厚な諸岡くんが、ドラマを通してたった一度だけ見せた怒り。同じ夢を追い、相棒であるキャッチャーの腫れた手のひらを心配する心優しいエースピッチャーが見せた怒りは、どこか無気力な姿をしている、そんな後輩への喝でした。諸岡くん、かっこよかったよ。まさに青春、ですね。

    いいね!(4)
名前無し

最近購入したDVDを見始めて、たまたま偶然なんですが、ちょうどドンピシャで上に書きこみされてる方がコメントされてる第13週の脚本の「ふくが来た」の週を今、じっくりDVDでみています。
これが、めっちゃくちゃ面白いですね!!脚本家さんが自選しただけある週です。
「ごちそうさん」を見るのは何ヶ月かぶりで、随分、見てなかったんです。
大袈裟かもしれないけれど、この面白さが衝撃的で、ここのところ面白いドラマを見てなかったんだな、ってこれを見て改めて気付いたぐらい。話が面白くて無駄がないだけじゃなくて、このドラマにじんわり流れるあたたかさや前向きな空気感が登場人物を優しく包んでるようなものを感じます。

    いいね!(4)
名前無し

2014-08-05 07:22:55 名前無しさん
私もなるほどなあ、というか感謝です。批判的、否定的なご意見も、感覚的にとか、心情的に合わないとか、嫌いとかいわれてしまうと、そうですか、と思うしかなくて。その点、具体的に述べていただいているので、私自身の思いを改めて振り返るきっかけをいただいたように感じています。ですから、これから述べることは反論ではありません。あくまで私の感想です。どうか、いやみや皮肉と受け取られませんように。好きなものの好きな理由を改めて考えるって、とても楽しいことですので。

私はごちそうさんのみんなが大好きです。もちろん室井さんも。確かにもめごとが大好きでゲスなところもありますが、天神祭の夜、和枝さんの懐にいとも簡単に飛び込めたように、人を分け隔てしない、優しい人だとも思っています。まあ、気が弱いだけかもしれませんが(苦笑)。
それと、室井さんって多彩な登場人物のなかでも、最初から作家になるという夢をもち、書きたいことのビジョンも明確にあった人なんですよね。源ちゃんが出征した前後、大人の小説である『塩と砂糖』が出版できるって話(検閲にひっかかってだめになりましたが)に桜子とふたりで喜んでいる室井さんに、め以子がもう本は出している(おでんの童話)、何でもいいのかと思っていたというと「昔、何の取り柄もない女に惹かれる人間の不思議を書きたいっていったじゃない」と返して。確かに女学生だっため以子に、室井さん、そんなようなことを言っていたんですよね。回り道をしたけれど、その夢の結実が『阿呆の佛』なのかもしれません。だから、桜子は「『阿呆の佛』は集大成」といった。ぶれまくっているようで、意外とぶれないんですよ、室井さん。
そして、いちばん好きな室井さんは、関東大震災のときの室井さんです。駆け落ちしたんだから行かなくていいという桜子をふりきって、東京へ行った室井さんがボロボロになって戻ってきて、最初に言ったのは、「お父さんもお母さんもご無事だったよ。民ちゃんも」。桜子の大事な人たちの安否を確かめにいったのですよね。もしかしたら、大阪から歩いて。
震災の被害の様子や生き残った者の使命を、おでんに託して語る室井さん。それを神妙な顔で聞いているめ以子、桜子、お静さん、馬介さん。あのなべ底だいこんの話のシーンは、室井さんというくくりをつけないでも、ごちそうさんのなかで、とても好きなシーンの一つです。

なんか、室井さんにかぎらず、誰のここが好きっていくらでも書けそうですが、何よりも、誤解されてはいけないなあ、と思うことが一つあります。確かに人間のマイナス面も描いたのがこのドラマの良さといったような意味のことを私も書いたことがあります。だけど、前提があります。たぶん似たような感想を書いておられる方も同じだと思うのですが、ドラマの根底に流れるものは、懸命に生きる人たちへの愛であるということ、人間肯定があってこそのマイナス面「も」です。ごちそうさんに出てくる人たちはみんな「いい人」です。道徳的に、とか、理想的なとかいった枕詞のつかない「いい人」。日々を精一杯に生き、家族を愛し、友人を大切にし、ときには国の行く末を憂いたりして生きている普通の「いい人」。でも、そんな「いい人」でも、ときに弱かったり、せこかったり、自分勝手だったりして。それが人間の当たり前のありようだという意味で、欠点も含めた人への愛にあふれた、人間ドラマ。基本的には明るい笑顔に満ちたコメディであり、でも、いろんな意味での暗い側面からも目を逸らしはしない。だからこそ、ごちそうさんは上っ面のきれいごとだけでは描けない、深さをもったドラマになった。そんなふうに思っています。

    いいね!(4)
名前無し

空襲から逃げるのではなく、国民に消火を強いた防空法。40歳未満の男子は料理人や美容師などにはなれない労務調整令。明治時代が大好きで、近代史には多少の知識があるつもりでしたが、知りませんでした。確かに戦中、戦後の描き方は群を抜いていたと思います。しかも、悲しみや痛みを抱えながらも、それでも重苦しい時代をたくましく、ときにずる賢く生き抜く庶民の姿が生き生きと描かれていて、反戦だ、正義だ、道徳だといったきれい事を軽々と乗り越えてしまう“命の力”のようなものがあって、いい悪いではなく、感嘆せずにはいられませんでした。

    いいね!(4)
名前無し

久しぶりに東京編を見ていました。基本的には大正ラブコメで、気楽に見られるのですが、全部が終わったいまから見返すと、ああ、やっぱりうまいなあ、と感心しました。
め以子とおとうちゃんがフォンを作るシーン。め以子はいいます。毎朝起きるのが楽しみだった。今日は何が出るんだろうって。私みたいな幸せな子、そういないと思うよ。で、大阪へ旅立つとき、18年間ごちそうさまでしたっていう。

正蔵さんの大往生のシーンを重ねてしまい、なんか泣けました。こんなに幸せでいいんかいな。今日は美味しかったな、明日はなんやろな。ごちそうさんな人生や。

おとうちゃんにごちそうさまっていっため以子が、義理の父親にごちそうさんっていってもらった(実際にいったのはお静さんですが)。頑張るからっておとうちゃんに約束したことをめ以子はちゃんとやったんだな、幸せな食卓を作ったんだなって思うと、なんかうるうるします。

そして、満州へ旅立つ悠太郎がめ以子にいったのも「ごちそうさんでした」。手紙に書いた言葉は「幸せな夫になっていました」。

はちゃめちゃなところもあるけれど、め以子の一途さは変わらない。東京編からすでに見えていたんだなあと感慨深いものがありました。

やっぱり、いいなあ、ごちそうさん。

    いいね!(4)
名前無し

続編希望というのをたまに見かけますが、私はあまり必要を感じません。「ごちそうさん」というドラマは、あの半年間できちんと完結していると思うからです。
「食べることは生きること」といったテーマや戦争への向き合い方など、「ごちそうさん」を作った人たちが盛り込みたいと望んだであろう「思い」は十分、過不足なく盛り込まれていたと思います。また、コメディかと思えばシリアスといったふうなバラエティに富んだ描き方も、決して散漫になることなく、テーマがしっかりとした幹となって、多少、葉のつきかたが乱れていても気にならないくらい、すっと立つ大樹のようにまとまっていました。
そして、終わり方もよかったです。悠さんが出てこないんじゃないかと心配していたので、ちゃんと出てきてくれてよかった。
視聴者としても、年明け、いきなり子供が3人になったあたりは少し中だるみ気味かなと感じたんですが、すぐに盛り返したし、半年間、本当に楽しかった。「ごちそうさん」という、これまで作られたことのない、そして、たぶんこれからも作られないであろう珍味といっていい料理をおなかいっぱいたべたから、「おかわり」ではなく、やっぱり「ごちそうさん」なんです。
そして、思います。ドラマは終わったけど、「ごちそうさん」の世界はいまもあり、そこの住人たちも元気に日々を生きているのだと。キャラクターがしっかり描き込まれていたから、想像できるんですよ。彼らのその後が。め以ちゃんは蔵座敷まだやってるかな、とか、悠さんはアパートメント建てたかな、とか、ふ久ちゃんはきっと理系の大学に行っているだろうとか、泰ちゃんは大学卒業したら高校の教師にでもなって野球部を率いて、自分が行けなかった甲子園をめざしているかも、いや、やっぱり末は大臣かも、とか。
それぞれの自分の好き勝手な続編が描けるんです。
「ごちそうさん」はそういうドラマでした。

    いいね!(4)
名前無し

ここは常識があるので良かったです。
みん感は荒れに荒れています。
歯止めがありません。
ここみたいになれないものでしょうか?
誹謗中傷の嵐もなんとかならないものかと。
言論の自由といえばそれまでですが
読んでいる人の事を考えない感想欄はいかがなものかと危惧しています。

    いいね!(4)
名前無し

>とうとうと流れる大河の中層、深層に拘って描くものじゃないんですね。

 うーん、たしかに・・・
最近さらさら流れるようなドラマは多いけれどなかなかとうとうと流れる大河のような重厚感のあるドラマは少なくなってきたと感じます。朝ドラにそういう見ごたえのある作品があっても良いのだとは思うのですが、あまりそれは期待できないのではないかとも思います。作り手というより見る側、作品を受け取る側の事情じゃないでしょうかね?
しかしこのドラマは実はそんな中でもただエピだけがさらさら流れるようなドラマではないのではありませんか?ええ?っと引っかかるかなりシビアな批判精神もところどころに私は感じます。その引っかかりとは何か?作者が作っている引っかかりにちっとも引っかかって考えてくれない視聴者が多いのではないか、とも感じます。もちろん引っかからなくてもある程度楽しく見られる要素はあるのだとは思いますが引っかかるべきところに引っかからないと実は本当には面白くはないのかも、と私は感じるのです。

 ずっと上の方でドラマの感想に対して「毒舌」を求める声もありました。こちらも本当になくなっているな、と感じます。自分も書けるわけではないのですが確かにこれぞ毒舌、というコメントは読んでみたい気がします。
毒舌、というのはただ枝葉末節を叩いて自分の尺度のみで批判することではないんですね。
毒を吐く、というのは実は作品を非常によく理解し、同時に愛情が根底になければできないことなんですよね。それがあってこそグサッと刺すような的を射た辛口の批判ができる、ということなのだと思います。そしてそういうのは好き嫌いとは別次元で刺激的で読んで非常に面白い。
 このドラマは実はそういうのができる類のドラマなのだと感じてはいます。自分でもなかなかできないことを人様に要求するのもおかしなこととは思うのですが、毒舌について書かれた方の気持ちが分かりいろいろなコメントが毎日ものすごい数あるにかかわらず今一つ何かが足りない、と感じてる人は自分だけではないのだとつくづく思いました。
2014-03-21 12:02:40 名前無しさん、あなたがなぜ最後にあえて
※反論者の方は受け付けませんのでそのままスルーして先へお進みください。
こう書かれたのか私にはよくわかります。
引用させて頂いて申し訳ありませんが、私のこのコメントに対しても同じことを言わせて頂きたいと思います。

    いいね!(4)
名前無し

いやいやさすが和枝さん。
やっぱり一筋縄ではいかないですね~。

め以子の顔を思いっきり引っ張って伸ばしきって、それこそけんもほろろでめ以子は退散。
ぬか床は土に返され。
嫁に行ってしっかり豪農のおうちに収まって普通に幸せそうにやってるのにいまだに希子にもめ以子を追い出せ!ってもう笑っちゃいました。
め以子はもう押しも押されもせぬ西門家の立派な御料さんですよね。でも以前のようにキーキーするんじゃなくてぐっと引いて挙式に出られなくても「いいの。料理に専念できるから」…。身体だけじゃなく大物感、一種の風格が出て来ましたね。同時にそれだけ料理を大事に考えてるこのヒロインだから半分本気にも取れるところが面白い台詞です。

母が丹精込めた結婚衣装を本人は袖を通したこともなく義理の妹に、ですか。なかなかできそうでできないことだと思います。あれはめ以子にすごく似合いそうでやっぱりめ以子の花嫁姿を(もう若くはないですが)見てみたいですけどね。

和枝さんはプライドが高くいけずな人ですが基本は筋を通す人。あれは口だけで、もう今さらめ以子を追い出す気なんてない、そんなこと自分にできる、していいことではない、ってよくわかってるんでしょうね。だからめ以子には直接教えたくはないけど、め以子が懇願した西門の味の柿の葉寿司をぎっしり作って出席、って、なんかいいなあ。父のこれまでのことは許したわけじゃない、でも父や西門には愛情があるんでしょうね。

このドラマ、決して台詞だけで説明だけで進んでいるドラマなどではないと私は思います。むしろいろいろな状況をよく見て行間から何を感じるか、それはかなり視聴者に任されているドラマのように感じられます。どう受け取るか、どう受け取れるか、にかかっているようなところたくさんある、と思います。

皆紙一重の長所と短所を持ち合わせている登場人物がそれぞれ面白いです。
正蔵さん、柿の葉寿司で元気を回復して長生きして欲しいんだけどなあ・・・・

    いいね!(4)
いいね!投票数 3 票
名前無し

思い返しても、微笑んでしまう15分間でした。
ひとり、ひとりとめ以子のもとになじみの人たちが戻ってきて、おいしいものを作って、それを食べた人たちが笑顔になる。ごちそうさんの根本がありましたね。
市場の人たちとの関係も、ここまで丁寧に描いてきた積み重ねがあるからこそ、闇市での協力が素直にストンと胸に落ちてきます。悠さんの「ごっつ可愛らしいや」に、みなさん大笑いしてましたものね(笑)
戦後の焼け跡をたくましく生きていく庶民の姿に、復興への希望が見えるようです。

そして、ぬか床おばあちゃん、お帰りなさい。
時には辛辣だけれど、やっぱりめ以子の一番の理解者だと思うので、帰ってきてくれて嬉しいです。おばあちゃんの責任ではないのですが、め以子が本当につらいとき、そばにいてあげなかったことが少し恨めしかったので(せめておばあちゃんがよりそってくれていたらと本当に思いましたから)、これからはずっとそばにいてあげてくださいね。

ごちそうさんに笑顔が戻ってきて、楽しいです。

    いいね!(3)
名前無し

「ごちそうさんまでの日々」は、ドラマの流れとして必要なの?と感じた週でした。大阪で生きている人たちの物語なのに、め以子の実家が東京にあるという以外、直接的には関係のない関東大震災をまる一週間使って描く意味があるのだろうかと。
め以子の人生にとって、本当に一期一会ともいうべき谷川ふみさんという存在も、そのような人物はあとにも先にも出てこないぶん、異質でした。
悠太郎と室井さんはなぜ、わざわざ被災地に行ったのでしょう?
この週への違和感は、ずっと残っていたような気がします。

このあとの物語へのたくさんの布石がまかれた週、「ごちそうさん」の根本が凝縮された週、そんなふうに多くの方が語っておられますが、いまはそれにうなずくことができます。

震災という、個人の力ではどうすることもできない大きな運命の渦にどう立ち向かっていくか。
大切な人を失った痛みと、そのことで自分を責めずにはいられない谷川さんの絶望と悲しみ。どこへぶつけてよいかわからない怒り。そして、現実を受け入れ、赦すということ。
被災地を見てきた悠太郎と室井さん。建物が人を殺しているようだったと悠太郎。過酷な状況下でこそ創作意欲がわく室井さんと、それを見ている桜子。
人は食べなければ生きてはいけない、そこだけは同じと教えてくれた宮本先生。その死。

見ていて、切なくて、心が痛みました。でも、それは大正12年9月の日々を生きている彼らに対してというより、め以子がまだ知らない未来の出来事を思ってしまうから抱いた感情だったように思います。
たぶん初見のときも、泣いたはずです。なべ底大根の話に心を打たれたことでしょう。いい週です。でも、先を知っていると、違う意味で心を揺さぶられずにはいられませんでした。
め以子に何か声をかけてあげたい。そんな衝動にもかられました。でも、かけるべき言葉は持ち合わせていません。

この感想欄を初見の方も読まれるかもしれませんので、具体的な出来事にまではふれません。ただ、「ごちそうさん」の物語を完走したあとで、もし、可能ならもう一度「ごちそうさんまでの日々」を見返すことをお勧めします。そのとき、初めてこの週の意味を知ることができるはずですから。

それにしても、宮本先生の言葉はめ以子の人生の指針となっているのだと、改めて思いました。出番は多くはありませんでしたし、今回、残念なことでしたが、宮本先生のことは人生を導いてくれた恩師として、その言葉とともにめ以子の心に残り続けていきます。
少しだけネタばれになりますが、ずっと先、め以子が大切な場に臨むにあたって、見守ってくださいと願った人たちのなかに宮本先生が含まれていたことがなんだか嬉しく、感慨を覚えたものです。

来週は、「ごちそうさん」のなかでもとても幸せな週の一つです。大好きで、ほっこりとした気分になりたいときは何回も見返しています。幸せな気分で今年を締めくくることができます。

    いいね!(3)
名前無し

ごちそうさんの色々な人の感想を読んでいると、脚本が本当によく練って書いてることに気づかせてくれて、「あーそうか」と感心します。1回目は面白さが理解できなかったが、2回目は分かって面白いと書いてあるのを読むと思わず「そーでしょう」と言いたくなります。2回目の東京編もめ以子と悠太郎のやりとりやおばあちゃんのナレーション、本当に面白く楽しいです。

    いいね!(3)
名前無し

年内最後の放送(本放送時)で、め以子が「未来への下ごしらえ」という言葉を言うのですが、第1週、第2週と「ごちそうさん」というドラマの未来への下ごしらえ、伏線がたくさん出てきましたね。先を知っていると、笑うところではないのに笑ってしまったりと、変な見方をしてしまいます。

ただ。
実は第3週、すでに予習して見てしまったのですが(でも、明日からの毎朝はちゃんと見ますよ)、どうということもないシーンで泣いてしまいました。
竹元先生初登場と、開明軒の玄関の階段を悠さんが造るというエピソードが出てくるのですが、悠さんが描いていた設計図が一瞬画面に映るのです。その瞬間、戦後、西門家の蔵で竹元先生が描いた設計図がオーバーラップしてしまって、思わず涙腺崩壊。
ここまでだって、源ちゃんといちご、宮本先生、スコッチエッグなどなど、先を思うと初見では思いもしない感情がわいてきましたが、この先とリンクさせていちいち泣いていたら、今後どうなってしまうのだろうと途方にくれました。
それでなくても、どれほど泣いたか(いろいろな意味の涙です)わからないドラマなのに、ちょっと怖い。
でも、ますます楽しみで、ワクワクしています。
やっぱり、「ごちそうさん」大好きなんだと、何度目かの確認中。幸せです。

    いいね!(3)
名前無し

「ごちそうさん」の再放送が始まって今日で9日経ちました。人間が自然の一員であることを自覚しつつ、先人が築き上げてきた文物に敬意を払い、次代に生きる人々への責任を全うしようとする意思が伝わってきた、朝ドラ史上でも五指に入る程の名作ではないかと思います。制作者の誠実さが感じられる、私の大好きな朝ドラの一つです。
一方、本放送の「べっぴんさん」も、妊娠・育児中の女性に寄り添い、ひいては日本社会の人権水準を上げようとする意思が伝わり、内容的にも広く大きな世界観の下でストーリーが構築され、美的センスなどの良さも感じられ、私はすっかり虜になってしまいました。こちらも早くも名作のオーラを纏い始めたように思います。
ここ最近の朝ドラは、本放送か再放送のどちらかが個人的に受け入れられなかったり、否定的評価の目立つ作品がある時期が続いたので、世間的にも概ね好評な「べっぴんさん」と併せて「ごちそうさん」の再放送をしてくれたNHKには感謝せずにはいられません。これから半年間は、これまでになく朝ドラを楽しめそうです。

    いいね!(3)
名前無し

今回の再放送で初めて見たのだけど、最初の週からすごく面白くて、毎日楽しい。
『あまちゃん』は放送前から話題になっていたから見て、
『花子とアン』は赤毛のアンを翻訳した女性が題材というのと、
吉高さんがヒロインなので見た。そして、それ以降の作品は続けて見ているのだけど、
『ごちそうさん』は見たい理由が無くて飛ばしてしまったんだ。見ておけば良かったよ。
でも、再放送してくれたから、見られて嬉しい。

    いいね!(3)
名前無し

日本の朝に「雨のち晴レルヤ」が流れる日々が戻ってきましたね。本当に嬉しい。
チビめ以子も可愛いけれど、杏ちゃんになる来週からがより楽しみです。「どんな君でも アイシテイル」、め以子と悠太郎の20年以上に渡る長い物語――それは究極的には幸福な物語といっていい――が始まるのですから。
笑ったり、泣いたり、イラついたり、喜んだり、悲しんだり、たくさんの感情に揺さぶられる日々が戻ってきたんですよ。ごちそうさんを愛するみなさん、思いっきり楽しみましょう! 
初見の方、一人でもごちそうさんを愛してくれたら嬉しいです。ごちを愛してやまない者にとっては、ごちそうさんの住人たちは、ちょっと困った、でも憎めなくて、いとおしい友人や親戚みたいなものですから。

    いいね!(3)
名前無し

再放送、始まりましたね。それに備えて早起きして、見ました。
でも、仕事から帰ってきたら、どうしても続きが見たくなって、第1週、DVDで全部見てしまいました。半年間、リアルで楽しむという目標が、1日目でくずれました(汗)。

第1週の感想は、「源ちゃん、ホント、いいやつ」につきます。あとはぬか床おばあちゃん誕生かな。

いちごはめ以子と源ちゃんをつなぐ大切な思い出ですね。たった1つのいちごをめ以子に手渡した源ちゃんに、のちに出征するときの源ちゃんを重ねて、うるっとしてしまいました。

そして、終戦直後の廃墟で、空を見上げていため以子。空を見上げるめ以子は、これからも結構、出てくるシーンですね。

先に見てしまったりと、いろいろな見方をするでしょうが、半年間「ごちそうさん」とまたつきあえることを幸せに思います。

    いいね!(3)

スポンサーリンク

連続テレビ小説 ごちそうさん Part2 (NHKドラマ・ガイド)