3.99
5 210件
4 14件
3 5件
2 4件
1 67件
合計 300
読み しゃーろっく・ほーむずのぼうけん
放送局 BSプレミアム/BS4K
クール 2021年7月期
期間 2021-08-11 ~ 2022-06-01
時間帯 水曜日 21:00
出演
英国の作家アーサー・コナン・ドイルが生んだ名探偵、シャーロック・ホームズ。名優ジェレミー・ブレットがこの世界一有名な探偵を演じ、「原作のイメージそのもの!」と絶賛されたシリーズをBSプレミアムとBS4Kで同時放送します。色あせない名場面の数々をお楽し...全て表示
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名前無し

「ボール箱」〜本ドラマ版・再放送終了によせて
英グラナダTV制作の本ドラマ版「シャーロック・ホームズの冒険」全41話終了です。
淋しい時間がやって来ました。ウィリアム・ジレット、ベイジル・ラスボーン、ピーター・カッシング、ロバート・ダウニーJr.、ベネディクト・カンバーバッチ等その時代のホームズ役者数あれど、原作の挿絵から抜け出たような俳優と言えばやはりジェレミー・ブレット。この後のジェレミーのホームズの冒険が観れないのは本当に口惜しいですが、彼は生命の最後まで稀代の名探偵を演じ切りました。彼のホームズは原作ファンの、推理ドラマ好きの、冒険活劇好きの人たちの心に永遠に残ります。

私は80年代に「ホームズ」物語全60編が時系列順に並び直された、全エピソード注釈付きの「東京図書版 シャーロック・ホームズ全集」を読破した経験と、NHKで始まった本ドラマ版の本放送を観る幸運に恵まれました。ここの他の方のレビューを読むうち、懐かしさから初めは漠然と『原作と本ドラマ版両方が混じった感想』を投稿しました。初レビュー参加は第12話「赤髪連盟」。この時はサブタイトルを確認せず「赤毛連盟」と書いてしまい、そんな軽い気持ちで始めたのです。
私は本ドラマ版のファンですが同時に原作ファンでもあるので、すぐ双方の比較レビューへと変化し『私なりの本ドラマ版で好きな事・残念な事を書きつつ原作は引き合いに出すに留め、未読の人にも「原作はそうなんだ」と伝わるような、原作を書かずしてそっちにも興味が湧くような』物を目指しました。最初370文字程だったのが500文字を超え、長文が続くと投稿意欲も落ちるので長過ぎずを心がけました。その分を補足で際限なく書いたため多くが「本文より補足が長い」事態になり、ここは反省点です。今回もこちらが本当に長くなりましたが再放送終了の締めという事で、お許し願います。

「ソア橋のなぞ」では前回からの一週間ルールで星が付けられず、本文内の頭に五つ星を付けました。昔からの思い入れ回「瀕死の探偵」のレビューが書けた時は本当に喜びました。
書き易かったのは「第二の血痕」「六つのナポレオン」。あの辺りはドラマ制作自体が快調な時期で、ノッて書けました。書き辛かったのは「金縁の鼻眼鏡」。仕事が忙しくて録画を観るのが翌週月曜になり、いつものホームズとワトスン回なら書き易いのがこの回はホームズと兄マイクロフトのコンビで、書くキーワードは多いのに遅々として進まず水曜の次の回(「赤い輪」)放送当日の会社の休み時間に書き上げましたが投稿前にスマホの充電が切れてしまい、家に帰ってきて充電し投稿した時は「赤い輪」放送終了後で、もう散々でした。最初イギリスらしくワトスンをパンに見立て、ホームズ兄弟との関係をサンドイッチに例えようとしましたが「ホームズ兄弟が極上の〝ハム〟2つはおかしいだろう(笑)」と考え直し、極上の〝刺身〟に変更。ワトスンをシャリに見立て寿司に例えました。

あと、私は原作の良さを伝えたくてこういうレビューになっただけですので、原作を読まなきゃいけないなんて事は全くありません。どうぞお好きに楽しんでください。本ドラマ版だけで観まくるも良し。気になったら原作に手を伸ばすのも良し。ドイル以外の人が書いた「ホームズ」物語を読むも良し。原作とかけ離れた「ホームズ」映像作品ばかり観まくってみるも良し。何を観る観ない、読む読まないはその人の自由、決まりなんか無いです。要は〝ホームズを楽しめばいい〟と思います。

最後に、ここを立ててくださった方。のびのび書く場を与えてくださり感謝します。心残りはここに参加する前の初め11話分のレビューが書けなかった事ですが、それはまた再々放送の時にでも、機会が有れば書きたいと思います。
そして私のレビューにいつも「いいね!」を付けて下さったお2人の方。毎回変わるがわる付けて下さったのか、どちらかお1人がずっと付け続けて下さったのかわかりませんが必ず1つ、多くのレビューで2つ頂けた事は大変、書く励みになりました。この場を借りて礼を言います、ありがとうございました。

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名前無し

「ボール箱」補足
最後のホームズの独白は、原作は夏の室内でブラウナーの供述書を読み終えたところで言うのですが、本ドラマ版は冬の凍てつく氷の下のメアリーとアレクの死体が発見された前でと、絵になるシーンに変更されています。このラストの撮影は1994年の寒い1月、ジェレミー・ブレットは独白の台詞がほぼ原作の言葉のままである事をとても喜んでいたそうです。
1995年9月12日、ジェレミーは心不全でロンドンの自宅で惜しくもこの世を去り、本ドラマ版「シャーロック・ホームズの冒険」はここで未完となりました。
エドワード・ハードウィックも2011年に、ロザリー・ウィリアムズは2009年に、チャールズ・グレイは2000年に、エリック・ポーターも1995年に亡くなられましたが、私はフィルムの中の彼らを忘れません。

完結ではなく未完なので、さよならは言いません。
代わりに言いたいのは感謝。「六つのナポレオン」でレストレードの称賛にホームズが応えたように。
◉シャーロック・ホームズことジェレミー・ブレット。原作通りの〝ロンドン市内は黒いシルクハットと黒いコートにステッキ〟〝両手を擦り合わせる仕草〟が一番似合うホームズ役者は貴方です。インバネスコート無しで圧倒的存在感、病を押して素晴らしい芝居をありがとう。
◉ジョン・H・ワトスンことデビッド・バーク並びにエドワード・ハードウィック。「最後の事件」のライヘンバッハでのバークの独白、「ブルース・パーティントン設計書」の葉巻を加え無言で答えるハードウィックの笑顔、どちらも素晴らしい演技をありがとう。
◉ハドスン夫人ことロザリー・ウィリアムズ。「ボール箱」で私が一番好きなのは、ホームズが買った品のガメジスの包み紙を見て嬉しそうな貴方のシーンです。チャーミングな家主さんをありがとう。
◉レストレード警部ことコリン・ジェボンズ。原作より出番が少なかったですが、痩せたイタチのような、ネズミのような・・・と活字で形容された容姿にピッタリな、名物警部ぶりをありがとう。
◉マイクロフト・ホームズことチャールズ・グレイ(映画「007/ダイヤモンドは永遠に」のブロフェルド役で有名な俳優さん)。夢のホームズ兄弟&ワトスンとのコンビ、ありがとう。
◉モリアーティ教授ことエリック・ポーターはじめ、原作の挿絵そっくりな人も活字だけだったキャラクターの人もオリジナルキャラクターの人も皆、違和感無しなゲスト俳優さん方、ありがとう。
◉何気ないシーンでも細やかで綺麗な色使いの装飾・セット、原作に忠実どころか時には間違いまで正してくれたグラナダTVスタッフの方々、ありがとう。
◉露口茂さん、本放送欠落部を追加録音された諸角憲一さんはじめ豪華声優陣の方々、昭和のNHK海外ドラマ翻訳家と言えば額田やえ子さん(2002年没)、その他日本側スタッフの方々、素敵な吹替をありがとう。

皆さん、素晴らしい「ホームズ」物語の冒険をありがとう、ありがとう。

そして又、やるであろう再々放送で!。

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名前無し

前回放送時にも見たのだけれど、その後ポワロシリーズを見たせいか、シャーロックホームズの冒険は時間が重ならないにしてもそれほど大きく時代が違うわけでもないのに、結構古い因習や伝説などに支配されているように見える。
ランプやろうそくを灯さなければ、夜は闇の世界。
移動手段は汽車か馬車。
大きく違うのだけれど、愛情がそのままの濃さで憎しみに変わったり、因習を手放して科学を信ずるようになっても宗教からは解放されない人々は事件を起こすから、ホームズの代わりにポワロが登場したのだ。
ちなみにホームズの作者コナンドイルとポワロのクリスティが生きていた時間自体は重なっている。
交流があったのかどうかは知らないけれど。

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名前無し

巧みな伏線と鮮やかな回収が見事でトリックも巧妙で色あせない。
単なる謎解きの探偵ものではなく犯人側の複雑な背景を
描きミステリーにとどまらず深い人間ドラマを作り上げて見応えがありました。

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名前無し

ホームズに扮したジェレミーブレット氏は以前はホームズ物でワトソンを演じたことがあったそうで、今彼のいろんなエピソードを読んでいても神経質で時にうちに閉じこもってしまうホームズよりもワトソン的な人ではなかったかと思うことがあります。
もしそうであったならワトソン的な目でホームズを見ていたブレット氏の見方が、超人的な記憶力や頭の切れや、時に薬物に頼るほどの繊細な神経のホームズの姿をより立体的に描き出してくれたように思えてなりません。
本当は全作を作り上げたかったであろう彼の思いとは裏腹に途中で中断されてしまったこのドラマの最後の作品のホームズのセリフが実に哲学的でありながら、混沌の今の世を表現したと言ってもいいもので、凍てつく白銀の川辺という背景で語られたことは闘病中の彼の体調を思っても実に厳しく命がけでも語りたかったセリフであることが伝わります。
愛に飢えた女性の嫉妬心が起こした犯罪の恐るべき結末。
周囲の人にもたらした悲劇。
でも法ではさばけない彼女の罪はホームズの作者コナンドイルの跡を継ぐようにミステリーの女王となったアガサクリスティの最終作品「カーテン」で問われた罪に通じているように思うのは私だけでしょうか??

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名前無し

ストーリーに奥行きがあり、面白かったです。
事件の背景や人間関係など、余韻があったり、ホームズの対応にとても配慮があったり、事件や推理以外にも、歴史の映画を見ているような趣きがありました。

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名前無し

今回はホームズが長期旅行のためホームズの兄マイクロフトとワトソンが事件の謎を解き明かして行く。美術館のマザランの宝石強盗事件をマイクロフトが担当してワトソンは下宿を営む老夫婦の兄の遺産疑惑を担当する。マイクロフトが担当の宝石強盗事件とワトソンが担当した遺産疑惑が一つに繋がる。

宝石強盗事件はシルヴィアス伯爵が犯人で下宿の地下に宝石加工工房があり盗難の宝石が隠されていた。その上に居座っていた老姉妹の兄が邪魔でどかそうと犯人の仲間が遺産の話をでっち上げた。マイクロフトとワトソンが嗅ぎ付け宝石加工工房に潜んでいた犯人を捕らえたが主犯のシルヴィアス伯爵はすでに船で逃げようとした。マイクロフトが追いかけ捕らえる。最後にマイクロフトの活躍をホームズが称賛する。我が兄よブラボー!。

ホームズ不在のマイクロフトとワトソンの活躍が新鮮でした。ホームズが不在だったのはホームズを演じるジェレミー・ブレット氏の体調が悪くなり降板の代わりにホームズの兄マイクロフトを登場させた。ジェレミー・ブレット氏はこの後一話出演して不治の病で帰らぬ人になりました。

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名前無し

「赤い輪」女家主ウォーレン夫人の依頼は、国際的結社やアメリカ探偵社もからんだ大事件へと発展。この話の本ドラマ版は基本は原作通りですが、ウォーレン夫人がハドスン夫人の友人になり、グレグスン警部がホーキンズ警部に変わったり(原作はレストレードと並び腕利きのグレグスンは何故本ドラマ版で不遇なのか?)、ホームズがサーベル仕込みのステッキを抜くのが追加されたり、所々変更が有ります。
一番大きな変更は本ドラマ版オリジナルキャラクター、エンリコ・フィルマーニの登場と死が追加された事です。ラストの〝ホームズの涙目ショット〟は当初オペラ観劇シーンだけだったのが、音楽担当スタッフが「フィルマーニを想い涙するシーンを」とジェレミー・ブレットに電話し番組プロデューサーを説得して追加したそうで、ジェレミーの病状と共にスタッフの心境もウエットだったのかと思わせる裏話です。しかしこの追加は原作から遠ざかり、事件解決後もくよくよするホームズは何ともらしくありません。それが何故目立たないかと言うと、全体が暗い影と悲壮感漂う脚色に直されてるからです(「未婚の貴族」程じゃありませんが・・・)。蝋燭を前にホームズが「いかに栄華を極めし者も皆、死の時を迎えれば塵に帰る」と言うシーンとラストの観劇シーン、どちらも本ドラマ版オリジナルですから。原作のホームズは黒いジョルジアーノと絡まず事件に居合わせた感が強いですが、本ドラマ版は関わるも役に立たなかった感が強く、ジェレミーが元気なら快活な出来だったのかな・・・とも想像してしまいます。
ウォーレン夫妻とホームズ達との会話や、ワトスンが天井のホームズと遭遇するくだり等コミカルシーンも有る物の、全体にウエットな面が強調された回となりました。

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名前無し

愛情と独占欲をはき違えた男黒いG。
「赤い輪」という暗黒組織の親玉でありながら、社会のために戦う組織と白いGを言葉巧みに誘い込んだ。
正体を見破って離れた白いGを許せず彼を追ううちに彼の最愛の人を知り横恋慕する。
力ずくでものにしようとしたが阻止され、彼の魔の手から逃れようとした白いGと妻を執拗に追い回す黒いG。
黒いGの魔の手から逃れるため故郷イタリアからアメリカにわたり、さらにイギリスまで逃れた白いGと妻をかくまおうとする同郷の者たち。
残忍な黒いGは白いGを亡きものにする前に彼らを支援する心優しき人たちを一人ずつ残忍に殺すという卑怯なやり方で白いGと妻を追い込んでいく。
その中でも命がけで彼らを守ろうとした照明係が、黒いGに惨殺されてしまったことが無念でならない。
白いGと妻は逃げおおせたが、年老いた母を保護しながら仲間を支援していた彼を失ったことはイギリスのイタリア人にとって大きな損失であろう。
残された高齢の母や彼を亡くしたイギリスのイタリア人社会のことを思い、彼自身の失態を悔いてなんとも切ない憂い顔をするホームズ。
その表情が目に焼き付いて離れない。

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名前無し

「三破風館」は恋多く情け薄きイザドラ・クラインが登場(演じるクローディーヌ・オージェは「007サンダーボール作戦」のボンドガール・ドミノ役が有名)。「ソア橋のなぞ」「サセックスの吸血鬼」そして本作と、我の強い英国以外の女性が絡む話は原作の後半に多く、20世紀以降ドイルに心境の変化があったのか興味深いところです。
原作との大きな変更点は「数行語られるだけのラングデール・パイクの登場」と「ワトスンの見せ場を増やすディクシーとの格闘と怪我」。共に原作を膨らませた改変で、前者の「ホームズがパイクの前で女性の行動を言い当てるシーン」は「ギリシャ語通訳のマイクロフトとの推理合戦」を彷彿させ、ミルバートンの名がパイクから飛び出すのにも思わずニヤリ。後者は、ワトスンの台詞も増えた事で話が締まりました。原作未登場のハドスン夫人にも「ディクシーの背中をこづく」「ワトスン負傷を知らせる」シーンが作られ、決め台詞ではないもののホームズの「紹介しよう」も冒頭登場し、いつもの本ドラマ版の姿が戻って来ました。私はそこが一番安心し、嬉しかったです。
原作で最後にホームズがイザドラに釘を刺す「鋭い刃物を振り回せば己も傷つく」がワトスンへの台詞に変わり、私は彼女に忠告してこそ「三破風館」だと思いますけども。原作に無い「時の流れには逆らえんよ」の台詞のほうが、紆余曲折して作って来た本ドラマ版制作陣が一番言いたかった事に聞こえました。

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名前無し

「這う人」はホームズ物語の中でも異色中の異色作。「悪魔の足」と並び特異な、ファンの評価が決して高くないこの話をよくドラマ化しようと思ったものです。
原作は秘書のベネットが早くからプレスベリ教授の異変に気付いており、ホームズが現地に来た時点で教授が前傾姿勢で両手をぶらぶらさせる変化が示されます。図らずも猿の精神になってしまった教授が小石や枝で犬のロイを挑発して噛まれ、事件・活劇より『自然に反する者が先祖返りする皮肉』がテーマ。
対して本ドラマ版は教授の奇行をクライマックスまで見せず、更に原作に無い「アリス嬢との婚約破棄」「大木で暴れる猿そのものの教授(インパクト大!)」「彼女の部屋へ侵入」を付け加え『ジキルとハイドを思わせるスリラーと悲劇』がテーマ。挑発を無くしロイをアリスの救世主にした展開はとても活劇してますが、彼女との歳の差を気にして薬を接種した教授の動機づけが薄くなってしまいました。
一長一短でどちらが良いとは言えないですね。「人間が正道を踏み外すと動物に戻ってしまう」ホームズの発言で締める結末は同じで、これがこの話の真のテーマでしょう。
原作に登場しないレストレード警部が「六つのナポレオン」以来、久々の登場。それはそれで嬉しいですが、やはり「バスカビル家の犬」に出て欲しかった・・・。

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名前無し

女性を惑わすイケメン俳優ならいっぱいいるはずなのになぜあのビジュアルの俳優さんが極悪非道の女性の敵を演じたのか?
二枚目俳優にこんな役をやらせたくはなかったのか?
それとも実際に演じた名優の力を信じたためか?
私は後者だと思いました。
原作よりもビジュアルに重きを置いていないために、悪い男爵の言葉巧みさと色事師とのしての経歴が真実味を帯びています。
実際歴史上のカリスマ独裁者は熱狂的に愛されていたけれども、ビジュアルはとてもととてもな人物が多い。
悪人が身に着けた人心掌握術ほど怖いものはありません。
高貴な生まれながら、あんな男の浮ついた言葉に騙される女性の愚かさが取りざたされますが、無菌で育ってきたええとこの人は騙されやすいと言います。それは色事師だけではなく詐欺師だけではなくトンデモない野望を持った政治家にだって騙されることがあるということです。
でなければ世の中にこれほどの独裁政権が誕生するでしょうか?
独裁者は自分の悪を咎めた人物を消すためなら何でもします。
自分は被害者になって批判者の言葉を誹謗中傷と語り、裏で批判者を攻撃し葬り去ります。
そんなことをして自分を正義と信じ込ませた人物が国のトップに立っていることこそが不幸の始まりなのです。
そんな最悪の事態を避けるために、ホームズをきっちり見ていこうと思います。

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名前無し

「ショスコム荘」はドイルが原作を最後に書いた作品としてファンに知られています(原作は執筆順と事件発生順が異なり、ワトスンが公表出来る物から発表した事になってます)。話題になる事が少ないエピソードながら話の筋はほぼ忠実に映像化され、グラナダTVスタッフの「ホームズ」愛を感じます。
一番違うのはレディ・ビアトリスに化ける人間が原作はメイドの夫なのに対し本ドラマ版はジョー・バーンズという若者な点で、これを後の映画「シャーロック・ホームズ」シリーズでワトスン役となるジュード・ロウが演じています。彼を売り出したくての改変だったのかはわかりませんが、その初々しさが「納骨堂の怪」とでも言うべき原作の読後感のおどろおどろしさを幾分和らげたのは確かです。別人と見破った要の犬も、原作はスパニエルとだけなのが本ドラマ版は「ジャスパー」という名前が付き、何だか親しみが湧きますね。
私がこの話の本ドラマ版で好きなのは原作に無い、ラストのベーカー街のやり取りです。競馬で20ギニー儲けたワトスンに「浅ましいなあ」と言い、更にお祝いのシャンペンを持って来て10ギニー儲けたと言うハドスンさんに「たはっ、何ともはや嘆かわしい」と呆れるホームズ。これも原作を和らげる挿入。彼らのほのぼのした日常を観せてくれるだけで、私はドラマ制作陣にありがとうと言いたくなるのです。

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名前無し

「レディー・フランシスの失踪」補足1
〝原作を膨らませた改変〟でなく〝原作の筋が変更された改変〟エピソードが登場。この辺から「もう一つの顔」での〝推理にふける暗い部屋で窓から光がさし、立ち昇る煙草の煙の中にホームズのシルエットが浮かぶシーン〟のような、「暗い影を想起するシーン」が徐々に増えだすのもドラマ後半の特徴です。
それらは番組の人気とは裏腹に予算が無くなっていくグラナダTVスタッフの苛立ちかも知れないし、過密な撮影で年数本しか撮れなかったペースによる俳優さん達の老いの為かも知れないし、ジェレミー・ブレットは本ドラマ版が始まった1984年当時から心臓の持病と躁鬱病を抱えて闘いながらの俳優人生であり、病の進行でホームズの活劇場面が撮り辛くなっていったせいかも知れません。
私は最近、ここのレビュー数が増え今回の放送を観る人・語る人が増えたのがとても嬉しいの反面、後半は上記の〝原作離れ〟な回も増え、観る人がまた減るのではないかとも思っています。
原作の全エピソードをドラマ化出来なかった事を惜しむ方のレビューも有り、確かにその通りなのですが、それはジェレミー・ブレットの死による物で致し方ない事です。1つだけ言わせてもらえば彼は亡くなる時までホームズを全作演じる気でいました。それは「ジェレミー・ブレット」で検索すれば出て来る事です。それだけは、わかってあげてください。私も「黄色い顔」は大好きな話なので最後、本当に幸せになったマンロー氏一家3人と〝僕が自信過剰になったらノーベリと言ってくれたまえ〟とワトスンに頼むホームズの姿を映像で観たかった。逆に〝助けを求めてくれたのに〟苦い結末で終わる「五つのオレンジ種」も、〝アフガニスタン帰りですね〟とホームズがワトスンに声をかけ友情が始まった「緋色の研究」も、〝東風が吹いてきたな、ワトスン〟と戦争の予感で締めくくる「最後の挨拶」も本ドラマ版で観たかった。その無念は、全世界のホームズファン全員の無念でもあるのです。
無理に見てくれとおこがましい事は言いません。ただ制約が影を落とし、原作と筋の変わる話が増えてもホームズとワトスンの友情は変わらず、冒険活劇は冒険活劇のままです。ジェレミーが太りますが、それは心臓の薬を飲み続けた副作用のせいで不節制ではありません。彼は晩年までそれを気にしていました。それでも白いドーランを塗り、顔色の悪さを隠しホームズに賭けた彼と、それに付き合ったエドワード・ハードウィック以下俳優さん方とグラナダTVスタッフ達の意地を、差し支えない方は最終41話まで見届けて欲しい。私はそう願います。

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名前無し

26話『バスカビル家の犬』

町から離れた豪邸の魔犬伝説を装った遺産目当ての殺人事件をホームズとワトソンの名コンビが解決して行くわけだが、今回はワトソンを先に現場に行かせてホームズは別な事件に関わり地元に残ってワトソンの報告を聞いて推理をするが、それは表向きで実はホームズも密かに傍で探っていた。それはホームズの存在を現場の犯人に警戒させないための策だった。前半なかなか出てこないホームズも新鮮でした。満を持してのホームズ登場は痛快でした。そこからワトソンと力を合わせて一気に謎を解いて犯人をあぶり出す展開が胸をすく思いでした。毎回郷愁を誘う英国の風景と極上のミステリーに魅せられています。

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名前無し

「ウィステリア荘」は原作が中編で、本ドラマ版は1時間枠に収める為に〝ガルシアがムリロ暗殺時のアリバイの為にウィステリア荘を使った説明〟が省かれエクルズ氏が招かれた理由かわかり辛くなったり、列車逃亡後のドン・ムリロ暗殺が同日の列車内になったり等、話のいくつかが詰められました。
でも詰められて生まれた名シーンも有ります。ステッキで列車のガラスにヒビを入れたホームズが笑みを浮かべた理由が〝後ろにガルシアの同志2人が乗っているのを見たから(暗殺が行われるとわかったから)〟だと、私は今回初めて気付きました。
そして「ウィステリア荘」と言うと書かずにいられない傑物がベインズ警部です。「観察と推理」が出来、わざとルーカスを逮捕しムリロを油断させデュランド夫人奪還の糸口を作り、ホームズに「君なら出世疑いなしだな。君には研ぎ澄まされた勘がある」と言わせしめた。レストレードら殆どの官憲が引き立て役である中、ホームズに頼らず独力で事件の真相に辿り着いた警察官は本ドラマ版・原作全話通しても彼だけなのです。この話のみの登場なのが非常に惜しい。そんな目立たない六等星のように輝く彼が私は大好きです。
そして「ウィステリア荘」自体が映像化されづらい話なので、ベインズ警部の活躍をドラマ化してくれたグラナダTVスタッフには感謝、感謝!なのです(でも出番が削られたグレグスン警部が可哀想)。

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名前無し

「銀星号事件」は〝脚を引きずる羊〟〝カレーと眠った馬丁〟そして〝吠えなかった犬〟から「馬を連れ出した者は中にいた」真相へと『観察し、推理せよ』の、特に推理のほうを働かせた話でしたね。
本ドラマ版と原作の違いは、レース前に銀星号の汚れを拭く点です。競馬にはその馬と認識出来ないと出走取り消しになる規則が有り、原作で汚れたまま銀星号を走らせてしまったのはドイルの誤り。出走前に偽装を解き、正したグラナダTVスタッフは本当に気がきいています。
私がこの話で好きなのはホームズを軽んずるロス大佐とのやり取り。ホームズのささやかな反抗心が面白い。「アマチュアは嫌いでね」「ハッ!(ホームズ苦笑い)」。「大佐の僕に対する態度はいささか尊大だった。だから少々からかって、楽しんでやろうじゃないか」。「夜行列車で引き上げますよ」「ウフフフ、では犯人逮捕はもう断念されたんですな」。この軋轢が有るから最後、種明かしで豹変する大佐に溜飲を下げるのです。「素晴らしい黄昏だ」から銀星号の足跡を見つけ「この想像力という奴こそ、グレゴリー警部に欠けている資質なんだ」のくだりも良い。グレゴリー警部が見つけていたら伏せずに大佐に報告したでしょうね(笑)。「ご紹介しよう」や「ありがとう」もそうですが、私はそういう〝ホームズが捜査の合間に見せる人間らしさ〟が好きです。

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名前無し

「マスグレーブ家の儀式書」原作が「探偵を始めた頃のホームズの過去の事件」なのが本ドラマ版は「ワトスンとの現在の事件」に変更されています。「木の状態が昔と同じなのはおかしい」原作の疑問点を「風見鶏が木の形で、その影を目印にする設定」に変更して解消していたり、原作ではマスグレーブ家に行っていない(まだホームズと出会っていない)ワトスンの出番や台詞を違和感無く増やしてある点は上手く、事件の大筋自体も原作に忠実な作りで作品としては五つ星です。ただ私は「部屋の整理を手伝うワトスンがマスグレーブ家の品を発見し、問われたホームズが過去の回想を語り出す」あの原作の素晴らしい導入部をどうしても映像で観たかった・・・。そこが残念なので、私個人の評価は四つ星にしました。
レイチェルのその後も本ドラマ版が最後に池から彼女の死体が上がり「過ちを犯した者には報いが来る」2時間サスペンス劇場仕立てのラストにしたのもそれはそれで悪くないのですが、私は失踪したまま謎の余韻を残して終わる原作のほうが好みです。

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名前無し

最後→空家となった時ワトソンが「ずいぶんお爺さんになったなぁ(汗)」と思っていたが、最近調べたらバークとハードウィックは2歳(年)しか違わなかった…。😑
20年以上前はネットの情報も無いので、ブレットの病気やいろいろも細かくは今月検索して知った…。
原作は1度は全て読んだが、ドラマとの違いとか細かい所はシャーロッキアンほど熱心ではないので「あれ、そうだっけ?」。
身近にホームズファンがいないので、ネット上とか、こちらに来ると、嬉しい。🍁

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名前無し

「最後の事件」クライマックスの有名なライヘンバッハの滝の死闘のくだり、よくよく冷静に振り返ってみるとワトスンがホームズからの手紙を読んでの想像なんですよね。リアルタイムで決闘を描くのではなく、ワトスンの想像からの回想にする事でとても印象深いラストになっており、「ホームズ」という物語全体がワトスンの語りによって進行する形を十二分に生かした、見事な構成だと思います。
それがここで実際のシーンとして描かれなかった事で「空き家の冒険」に繋がる訳ですが、原作者のドイルは「最後の事件」を書いた当初はホームズを復活させる気は全く無かったとの事。
ドイルはどんな気持ちでホームズの最期をワトスンの想像に委ねたのか?。生々しく書きたくなかったのか?、実は復活も密かに考えていて先を見越してそうしたのか?、はたまた全く違う理由が有ったのか?。興味は尽きません。

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名前無し

コナンドイルの書いた最初のホームズ物は「緋色の研究」だそうだけれど、このドラマシリーズでは「ボヘミアの醜聞」が最初であり、昨日の「美しき自転車乗り」も四作目と早い時期に登場するので、生涯独身だったホームズの「理想の女性像」を割と視聴者が早く知ることになるのが面白い。
「ボヘミアの醜聞」のヒロインも美しいだけでなくとても賢く、勇敢であり、ホームズをけむに巻くほどの知恵と機転の良さを披露する。
こうして理想の女性が最初に提示されることによって、その後ホームズが女性に対して旧式の考えを持っていたように見えても、本当は男性に肩を並べるほどの知恵と勇気を持った堂々とした女性を貴ぶ彼が単なる女性蔑視の人ではないと思えるのだ。
そのためにこの当時は珍しく自転車を乗りこなし、自分を尾行する怪しい男におびえるばかりでなく、立ち向かってこうとする勇敢な彼女の依頼に耳を傾け、ワトソンと協力して懸命に彼女を守ろうとするホームズに説得力が出てくるのだと思う。

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名前無し

ホームズが謎を解き犯人を追い詰める執念が凄かった。
科学捜査の先がけや潜入捜査や見つかれば犯罪に触れる
犯人宅に忍び込み証拠を探す場面にハラハラさせたり時には
敵を欺くにはまず味方からとワトソンまで騙して
痛快でした。今なら行き過ぎた許されない捜査も
許されたのは時代背景とストーリーとホームズの
魅力にあると思いました。

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名前無し

シャーロックホームズの冒険を見てを19世紀のイギリスの
文化を堪能しました。古い街並みのオープンセットや豪華な
室内セットや大道具小道具や登場人物たちの衣装や身に着けている
アクセサリーなどがアンティークで魅せられました。今も残る当時の
風景も美しかったです。そこで起こるミステリーを解き明かしてゆく
ームズの活躍が毎回引き込まれました。

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名前無し

原作をしっかり読んだことがないので、
ドラマの記憶と比べながら、読んでみたくなりました。
皆さんのコメントも本当に勉強になりました。

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名前無し

ホームズの時代って、ビクトリア女王の頃で、イギリスの最盛期。
メイドさんや執事さんがいて、当時の華やかさや豪奢な貴族の暮らしが垣間見えたり、太陽の沈まない大英帝国らしい、エキゾチックな異国の人や物が交錯したり。
オープニングでホームズが佇む窓から、当時の世界が見えてきて、スケールの大きいストーリー展開も魅力でした。
少しも古さを感じないどころか、毎回、新鮮な驚きに満ちていて、見る度に再発見のあるドラマです。
いろいろなドラマの背景について、こちらで読ませていただいて、ドラマを見る楽しみが大きく広がりました。
またの再放送を心待ちにしています。

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「ボール箱」私が子供のころ読んだ本に「原作の発表は1893年で、ショッキングな内容から英国の刊行本には1917年に収録」と有り、「送られた2つの耳」が問題と思っていたら後に「不倫を扱った事で外され、時代の変化で後年収録した」事を知りました。
原作との違いは「スーザンが221Bへ来訪」「オリジナル設定の死体泥棒ガルの一件」等も有りますが一番の違いは『季節を8月からクリスマスに変更した事』。これが本ドラマ版で大効果を上げており、前半は「ホームズとワトスンのプレゼント交換」「ハドスンさんとガメジス大百貨店の問答」「イブのスコットランドヤードへ招待」と人間の〝陽〟が描かれ、これらは原作に無い部分。対して原作に準じた後半描かれるのは人間の〝陰〟で「クッシング3姉妹の冷えた関係」「愛が狂気に変わった犯人ブラウナーの孤独」。寒々とした雪景色が、その陰=事件の救いの無さを一層浮き彫りにします。一方で前半が〝人間はそんな物ではない〟救いにも見え、陽と陰の対比が何とも言えない味わいを生んでいます。〝紐の結び方〟〝防腐剤が臭わず粗塩を使用〟等で犯人を見抜くホームズの『観察し、推理せよ』も描かれます。
実はNHK本放送時は「マザランの宝石」が最終回で、HD素材になり英国放送順に変わった2010年代の再放送から「ボール箱」が最終回になりました。私は「マザラン〜」のホームズ不在での放送終了より、今回の放送順のほうがホッとしました。ベーカー街の日常にいるホームズで観終われるようになって、個人的には良かったと思うのです。

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科学捜査や潜入捜査や相棒ものなど今の
推理サスペンスや探偵、刑事ドラマの元祖が
シャーロックホームズにあることが分かり
感銘しました。

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事件自体は背筋が凍るものであったのだけれど、当時のクリスマスの情景が再現されているのでほっとできた。
ホームズはハドソンさんにクリスマスのプレゼントを選ぶのにふさわしい店を聞いたりしている。
例によって片付けの仕方ではハドソンさんを困らせても、彼女のアドバイスに従ってちゃとワトソンを喜ばす贈り物を選ぶホームズ。
ワトソンがそのプレゼントのマント着て見せ、嬉し気に感謝を口にするのを聞いてはにかむホームズがいい。
家族や友人とのきずなを確かめ合う聖なるクリスマスの日に発覚する悲惨な事件。
クリスマスの贈り物の正体には震撼するが、事件の裏には愛してもらえない人の悲しみがあった。

賢くまじめな長女と嫉妬深い次女と一番美しく誰からも愛される三女。
この姉妹の関係がもともと歪んでいたのだろうか。
長女は三女を愛し次女を疎ましく思う気持ちを持ちながら成長したのか。
三女が結婚したことでますます彼らの間のゆがみは大きくなり、幸せな三女夫婦の間を妬み、三女の連れ合いに横恋慕した次女は二人の仲を裂くために連れ合いには酒浸りの生活に戻るよう仕向け医学生を三女に近づけた。
そして作戦通りに三女は夫を捨て医学生を選んでしまう。
でも次女の思い通りに行ったのはそこまでで三女の連れ合いの妻に対する思いは消えるどころかますます燃え上がって彼の元から去った妻と医学生を許せずに手にかけてしまう。
そして自分に妻殺しをさせた次女に対する恨みと拒絶の念を込めた恐ろしい包みを彼女のもとに送った。
何とも陰惨な事件だが、次女も三女の夫も自分が「愛される」ということに自信を持てる人間であったならばこれほどの不幸には落ちなかったと思う。
行方不明になった三女が帰ってきたと思い笑顔で迎えた長女は次女を見て失望した。
妻と医学生を手にかけた三女の夫は自分が帰宅した時に満面の笑みで迎えた妻が来たのは医学生ではないと気づき落胆するのを目の当たりにしたと語る。
周囲に愛される人にあまりに強い嫉妬心を抱くために周りを不幸にしてしまった次女はとても罪深いけれども、それだけに見ていて悲しい。
愛すべき人とは言えない女性だが、彼女の引き起こした事件は世の中の不条理の始まりの一滴のように滴り落ちて大きな波紋を残した。
三女と医学生の遺体発見現場でホームズが語るのは抗おうにも逃れられないこの世の不条理へ見解だろうか。

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事件の概要、ある三姉妹の三女メアリーが失踪する、そして三姉妹の家に送られたボール箱から二つの耳が出てくる、その事件を長女スーザンから依頼を受けてホームズとワトソンが解決する。

真相、次女セーラが三女メアリーの夫ジムを一方的に愛し自分のものにしようと妹夫妻の仲を悪くして別れさせようと画策して思わく通り二人の仲が冷えてメアリーはアレックと浮気した。嫉妬したジムは二人を殺し川に捨てる。三姉妹の家に送ったボール箱の耳はメアリーとアレックの耳だった。ジムを貶めて不幸にしたセーラに対しての報復だった。凍った川から発見されたメアリーとアレックの死体を見てホームズが語る

『何の意味がある、この苦難と暴力と恐怖の循環の目的は何かあるはずだ。でなければ宇宙は無意味で、ありえない。それは人類の大問題がある。それは現在も解答は出ていない』(概要)ホームズの哲学的な深い言葉で物語は終わる。

事実上この回がジェレミー・ブレットが演じるホームズとしての最終話あるが、撮影を撮り残して不治の病で帰らぬ人になりました。巧く編集して完成させたと思います。

ホームズ役はジェレミー・ブレット以外考えられないくらい見事に演じきって我々を魅了してくれました。ジェレミー・ブレット氏のご冥福をお祈りいたします。

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「マザランの宝石」はドイルの舞台用戯曲をベースに書かれた原作は、221Bの部屋だけで終わる密室劇。シャーロッキアンの評価も低く、その内容の薄さからか本ドラマ版は「三人ガリデブ」を加えて2つの原作を1つにして再構成し、「〜ガリデブ」をベースに「マザラン〜」から宝石と犯人のシルビアス伯爵とホームズ(本ドラマ版はマイクロフト)が変装し伯爵を尾行する設定を加えています。
今回、遂にジェレミー・ブレットが撮影前に心臓発作で入院。四たび登場となったマイクロフトとワトスンの原作に無いコンビに変更、ジェレミーが退院後に最初と最後を追加撮影して完成しました。「ギリシャ語通訳」「ブルース・パーティントン設計書」2回のみ登場の原作ではマイクロフトがベーカー街へ来るのは〝惑星が軌道を外れるような物〟なのですが、本ドラマ版の今回は2回変装するわ、伯爵を追い発砲するわ、いやー行動派!。結果的にですが原作と一番印象が変わったのは彼でしょう。
マイクロフトに負けずに絡むワトスンも有能に描いてきた蓄積が効いており、彼がドジならこうは作れなかった筈。原作「〜ガリデブ」のロジャー・プレズベリーが贋金作り職人なのをダイヤ職人に変更して「マザラン〜」とうまく繋げ、面白くまとまってました。反面「金縁の鼻眼鏡と今回をいつものコンビで観たかった」自分がいます。やっぱり私は「ブラボー!」と言われるシャーロックが好きなのです。
なおシャーロッキアンとは原作を正典と呼び「ホームズ達は実在し、正典はドイルでなくワトスンが執筆した」とする熱狂的ファンの事です。なので私はシャーロッキアンではありません(笑)、念の為。

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