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人生を悲観していながらも、大学で非常勤講師として働く岡山天音。ある日突然、姉が出産の為に息子幸太を預かって欲しいと言われ、仕方なく始まる共同生活。姉も楽観的と言えばそれまでだが、幸太はかなり自由奔放に生きている母親の犠牲となっているようだ。ネグレクトまではいかないだろうが、放ったらかしの育児をされてきたよう。
が、幸太は下校する子供達を羨ましそうに見ていたり、水槽から逃げた亀を産まれた場所に返すのだと川に入っていく。天音はコンビニアルバイトをしている。消費期限一時間前の弁当など商品を棚おろしして処分する仕事。ペシミストなのに、その弁当を物欲しそうに見つめていたりする。ゴミ捨て場に廃棄された商品を欲しそうにしている。
2人は真のペシミストだろうが。
ラスト、幸太母が赤ちゃんを産む。幸太は思わず「可愛い」と顔をほころばせ、その姿を見ていたペシミスト天音の顔も次第に和やかになっていく。
どこへ着地するのかが見ものだ?
この2人、ペシミスト?ぶっているだけではないか。主役2人の気取らない演技がかえって光るドラマだ。
人生、思い通りにならない事の方がはるかに多い。
その度に、自分を責めたり他人を恨んだり世の中のせいにする悲観的な人もいる一方、たまたま運が悪かっただけで「なんとかなるさ」と楽観的な人もいる。
二人は前者だったんだろうな。自分の力ではどうにもならないと思ってた。
ところが生まれたばかりの赤子を見るなり、まるで奇跡が起きたかのように顔がほころぶ。
えっ、それだけの理由で生きる希望が見えたの?
なんかあっけなかったかな。
人生を悲観的に捉えてはいたが、赤ちゃん誕生シーン、思わず本音というか、人間本来もつ喜怒哀楽の喜が出ていていいシーンだった。
あんな母親に育てられたら、幸太も辛いよね。でま、幸太にもわかる新しい生命への賛美。
天音も食欲だけはある。ゴミ箱行きの弁当に見とれている。悲観主義者というよりも、素直さを失っているように見えた。
面白い捉え方のドラマだ。子役が抜群。
この手の自殺防止キャンペーンのドラマは道徳臭くなってしまうものだが、「どうせ死ぬならパリで死のう」という着地は好き。
死に急ぐ必要ないからね、思い通りの人生ではないにしてもまあまあ面白いこと楽しいことはそれなりにあるからさ。
最強のペシミストであるシオラン、初めて知ったけど天寿を全うしたってエピソードもいい、何か読んでみようと思う。
2人の飄々とした感情表現が自然だ。
少年は一時的に母親が新しい男と赤ちゃんに取られてしまったような気持ちでいる、一過性ペシミストか。
この非常勤講師兼コンビニアルバイト男も、真のペシミストであろうか。ただ、毎日が楽しくなく、大した出来事もなくつまらない、が高じてそう感じているだけだろう。
2人ともに寂しがり屋のニセペシミストみたいだ。恋人ができたり、採用通知がきたり、コンビニ消費期限切れの弁当もらえたりすれば、ガラッと楽観主義者に変貌すると思う。
時期がくれば、必ず人間は自然に逝く。ならば、
「どうせ死ぬなら、最期の日まで生きてやろう」になるかな。
天音、ペシミスト自分に酔ってるな!
後編がまだ!
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